(8段落目にあった「岡谷県」を「岡山県」に、「今期業績予想と生産計画」を「今期業績予想」に訂正します。)
[東京 21日 ロイター] - 世界的な半導体不足の影響を受け、スズキが6月も国内四輪車工場の一時稼働停止を検討していることが分かった。複数の関係者が明らかにした。半導体不足でスズキが国内の四輪車生産を一時停止するのは3カ月連続となる。日産自動車と三菱自動車工業は海外工場でも減産する。
スズキと日産は6月の減産規模は明らかになっておらず、一時的に生産が減る分は下期にかけて挽回する計画を立てている。三菱自は3万台を減産する。
スズキが部品メーカーに提示した計画によると、相良工場(静岡県牧之原市)で6月1日─11日の9日間、磐田工場(同県磐田市)で1日─7日までの5日間、湖西工場(同県湖西市)の第1ラインで2日─4日の3日間、第2ラインで1日─7日までの5日間、稼働停止を検討している。いずれも土日は除く。
スズキの広報担当者は、暫定的に部品メーカーに計画を伝えたものの、影響を最小限に抑えるため調整中だとし、「確定していない」と回答した。
相良では小型車の「ソリオ」や「スイフト」など、湖西では軽自動車「ハスラー」など、磐田では軽自動車「エブリイ」などを生産している。
複数の関係者によれば、日産も生産調整を6月も続ける。メキシコ工場では一部車種の生産を休止する。栃木工場(栃木県上三川町)では18日の昼稼働を停止し、追浜工場(神奈川県横須賀市)では月内の夜勤を取りやめる。日産自動車九州(福岡県苅田町)の第1ラインは11日まで、第2ラインは18日まで夜勤を中止。新車生産に向けた設備更新もあり、24、25、28日の3日間は両ラインとも非稼働とする。
同社は半導体不足による今期の生産への影響を約50万台と想定し、このうち半分は下期にかけて取り戻す考えを11日の決算発表時に示している。
日産の広報担当者は、詳細な計画についてはコメントを控えたが、世界的な半導体不足により自動車業界で部品調達に影響が出ているとして「生産の調整と必要な対策を実施している」と述べた。
三菱自での生産調整の対象は、岡崎製作所(愛知県岡崎市)、水島製作所(岡山県(訂正)倉敷市)、パジェロ製造(岐阜県坂祝町)、タイ工場、インドネシア工場の5拠点。いずれも稼働を終日取り止める日はない。同社の広報担当者によると、6月に影響が出る3万台の生産は今期業績予想に織り込み済み。
これまで半導体不足の影響が表面化してこなかったトヨタ自動車も18日、6月に国内の完成車工場2拠点での稼働を一時停止を発表している。トヨタは2万台の生産に影響が及び、小型車「ヤリス」などの納期が遅れるとしている。