[ワシントン 27日 ロイター] - ベラルーシ当局が民間旅客機を強制着陸させ反体制派を拘束した問題で、当局が根拠としている同機に爆弾が仕掛けられたとの脅迫メールが、実際は同機を着陸に向かわせた後に届いていたことが、メールサービス提供会社の話で27日、明らかになった。
ベラルーシ当局は23日、ギリシャからリトアニアに向かっていた欧州格安航空会社(LCC)ライアンエア機にミンスクの空港に緊急着陸するよう指示し、着陸後に搭乗していたベラルーシの反体制派ジャーナリスト、ロマン・プロタセビッチ氏の身柄を拘束した。パレスチナのイスラム組織ハマスから同機に爆弾を仕掛けたとの脅迫状を受け取ったと主張している。
ハマスは関与を否定。欧州諸国の首脳は国家主導のハイジャックを行ったとしてベラルーシを批判している。
ロンドンに拠点を置く調査会社ドシエ・センターは26日、「Ahmed Yurlanov」という人物から送られたハマスによる脅迫状らしき文面の電子メールを公表。メールが送付されたのは、ベラルーシ当局が同機の乗員に爆弾が仕掛けられたとの情報を通告してから24時間後だったとみられる。
メールが送られたタイミングについては、米ニュースサイトのデイリー・ビーストと米シンクタンク、ニューラインズ戦略政策研究所系の雑誌が最初に報じた。
メールサービス業者であるスイスのプロトン・テクノロジーズは、同社の暗号技術によってメールの内容は確認できなくなっているとした上で、「問題のメールが旅客機が方向転換した後に送られたのは確認できる」と述べた。欧州当局から要請があれば調査に協力するとした。
ワシントンにあるベラルーシ大使館はコメントの求めに応じていない。
国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)は27日、この問題で調査を開始することに合意した。