シティのアナリストは、ドナルド・トランプ氏が再び大統領になる可能性は現在のところ約66％で、商品市場に大きな影響を与える可能性があると主張している。
また、共和党に大きく有利な選挙結果となる可能性も高まっている、と木曜日のレポートで述べている。
同投資銀行は、トランプ氏が当選した場合、有形商品市場にとって最も大きな変化は、米国に入る商品に多額の輸入税が導入されることだと投資家に伝えた。
これらの輸入税は、USTRの301条手続きとその後の承認取得期間を経なければならないため、少なくとも12ヶ月間は適用されない。この待機期間は、米連邦準備制度理事会（FRB）と欧州中央銀行（ECB）が金利を引き下げる時間を与え、今後6～12ヵ月間の貴金属に対するシティのプラス予想と一致する。
シティは、この期間に金価格が1オンスあたり2700～3000ドルに達し、銀価格は38ドルまで上昇すると予測している。アナリストは、米中貿易摩擦の激化が予想されるため、投資家は貴金属に保護を求め、貴金属の価値を高める可能性があると指摘している。
しかし、ドル高が全体的な上昇を制限する可能性があり、金は他の商品やリスクの高い資産よりも良いパフォーマンスをする可能性が高くなると指摘している。
中国は、潜在的な輸入税に対抗して、経済をより柔軟にするための措置を講じると予想され、再生可能エネルギーへのシフトを強調すると思われ、これは銅やアルミニウムなどの金属にとって有利であろう。予想される課題にもかかわらず、シティは2025年後半の銅のトン当たり12,000ドル、アルミのトン当たり2,800ドルから3,000ドルという予測を維持している。
シティの2025年後半の原油価格のマイナス予想は、世界貿易の減少予測と一致している。アナリストは、トランプ大統領がイランへの制裁を再開する可能性があるが、その影響はおそらく限定的であり、その他の政策によって原油価格は若干下落する可能性があると見ている。さらに同行は、ウクライナでの敵対行為の停止や米国とサウジアラビアの関係改善が原油供給の増加につながる可能性があり、それが価格にさらなる下落圧力をかけるだろうと指摘している。
農業の分野では、貿易摩擦が激化すれば、シカゴ商品取引所で取引される米国産大豆とトウモロコシが世界市場から遮断され、連作作物の価格が下落する可能性がある。
同行は、トランプ大統領の誕生が米国の電気自動車開発に大きな影響を与えるとは考えておらず、電気自動車に対する要求が厳しくなったとしても、ハイブリッド車の拡大や電気自動車に対する継続的な補助金がこの分野の成長を支え続ける可能性があることを示唆している。
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