[北京 18日 ロイター] - 中国自動車メーカーの吉利汽車は18日、世界的な半導体不足と新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、一時的に業績に悪影響が出る可能性があると表明した。
ただ、年間の販売目標は据え置いた。新モデルを投入する。
同社株は、明るい業績見通しや上半期の増収を受けて、4%近く値上がりしている。
上半期の純利益は4%増加。国内市場の回復に支えられた。
1─6月の利益は23億8000万元(3億6720万ドル)。前年同期は23億元だった。
販売台数は63万0237台で、前年比19%増。新型コロナウイルス感染拡大からの回復に支えられた。年間の販売予想は153万台。
売上高は22%増の450億元。
同社の販売は90%以上が中国国内で、ここ数年は東南アジアや欧州を中心に輸出拡大を目指している。
同社は「原材料価格の上昇は年内に落ち着く見通しだが、半導体不足は今年いっぱい続く可能性がある」と指摘。「だが、新しい競争力のあるモデルの投入で下期の業績は改善するだろう」とし、通期の販売予測を153万台で据え置いた。
同社の親会社である浙江吉利控股集団は、電気自動車(EV)の新ブランド「Zeekr」を立ち上げている。
吉利汽車はZeekrについて、外部からの資金拠出を求める方針を表明。EVモデルを増やす意向を示した。
同社は今年、スウェーデンの高級車大手ボルボ・カーとの合併を撤回したが、両社はパワートレイン事業を統合するほか、次世代のEVアーキテクチャーと自動運転車ソリューションを共同開発する予定という。
吉利汽車は6月、中国版ナスダックと称される上海証券取引所の「STAR市場(科創板)」への上場計画を白紙にする方針を明らかにした。