[ロンドン 14日 ロイター] - 英政府は14日、年齢50歳以上と医療従事者ら高リスクグループを対象に、新型コロナウイルスワクチンの追加接種(ブースター接種)を近く開始すると発表した。ブースター接種の展開によってロックダウン(都市封鎖)再導入や医療態勢の逼迫を回避し、感染が拡大しやすい冬を乗り切りたい考え。
ジャビド英保健相は、ブースター接種は長期的なウイルス抑制に向けた重要な方策と強調。同時に、必要に応じ、ワクチン接種証明提示やマスク着用の義務化、在宅勤務の要請などを盛り込んだ緊急対応策の「プランB」も用意していると明らかにした。また、医療従事者のワクチン接種が義務化される公算が大きいとの見方を示した。
ジョンソン首相は記者会見で「われわれは今、ブースタープログラムを進めている。これにより英国でワクチン保護に伴う一段と高い免疫の壁を築くことになる」と指摘。「現在のように国の大部分が免疫を持っていれば、過去のロックダウンに戻る必要はないという確信を得ることができる」と述べた。
英政府の諮問機関であるワクチン・予防接種合同委員会(JCVI)は、ワクチン接種完了から半年後にブースター接種を受けることを提言している。
ブースター接種を巡っては、米国が今月の開始を目指している。イスラエルやアイルランド、イタリアなどではすでに始まっている。
政府高官は、新型コロナワクチン接種が半年後も効果があるかは定かでなく、ブースター接種が冬期に予防効果を高める見通ししつつも、ブースター接種が感染率を低下させるかどうかは不明とした。