[北京 7日 ロイター] - 中国の国慶節(建国記念日)を祝う10月1から7日までの大型連休の観光収入は前年比約5%減少した。新型コロナウイルス感染抑制策の規制の影響で旅行者数も減少した。
国慶節の連休は旅行が盛んになる時期で、消費動向を測る指標として注目される。
中国共産党の機関紙、人民日報が報じた文化観光省のデータによると、国内観光収入は3890億6000万元(603億6000万ドル)で、前年同期比4.7%減少。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)前の同期間の収入の6割弱となった。
国内旅行者数は5億1500万人で前年比1.5%減少。パンデミック前の水準の70%強だった。
中国では最近、福建省と黒竜江省で新型コロナの感染が広がり、当局が行動規制を強化していた。両省の感染が封じ込められたことから6日に確認された国内新規感染者はゼロだった。
<良くない兆候>
シティはリポートで「旅行商品の価格が比較的安かったことや、近場の旅行へのシフトが起きたことが、消費低迷の原因だ」と分析。
「新型コロナ後の消費の回復は鈍く、公衆衛生面のリスクが根強いことを踏まえれば、今後の道のりは依然として険しい可能性がある」と述べた。
ノムラは、連休中の消費が低迷したことについて、10月の小売売上高統計にとって良くない兆候だとし、中国の経済成長見通しの下振れリスクが増したとリポートで指摘した。
第3・四半期の国内総生産(GDP)と9月の小売売上高は18日に発表になる。
中国航空当局は8日、人気の観光都市への航空便の予約について、過半数の都市で予約が前年同期を若干下回ったと指摘。連休中の航空旅客が前年比で19.6%減少したことを明らかにした。