[東京 8日 ロイター] - 安川電機は8日、2022年2月期の連結営業利益(国際会計基準)の見通しを580億円とし、従来計画の540億円から上方修正した。自動車や半導体、電子部品市場の拡大などを背景に中国を含む上期の海外売上高が前年比4割近い伸びを示し、業績を押し上げた。下期も受注は好調な出足だとしている。
上期の中国向け売上高は690億円と、前年から43%増えた。自動車関連や5G、新エネルギー関連が需要を集めた。
会見した小笠原浩社長は、中国の電力不足問題に関して、現地情報も踏まえた私見として「二酸化炭素の排出力が非常に多い産業、あまり先が見込めない産業向けの電力を制御しているようだ」と解説。もともと電力供給が不安定だった経緯もあり、中国の生産現場で混乱は生じていないと説明した。
下期の出足も堅調。「9月(の受注)は絶好調に近い状態が継続している。10月の入りも悪くない」と明かした。ただ「2─3割程度は先行受注が入っているかもしれないので、先行きがどうか、というのはある」として、需要前倒しの反動を警戒する姿勢も示した。足元では中国に代わり、日本国内の環境回復が目立ってきたという。
世界的な半導体不足については、自動車生産のサプライチェーンが滞っても、幅広い業界向けの需要が支えとなることで、同社の生産が極端に落ちることはないとの見方を示した。
同社は第1四半期末にも、通期の営業利益見通しを上方修正している。
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