[ロンドン/香港 21日 ロイター] - 暗号資産(仮想通貨)ビットコインは21日のアジア取引で小幅下落したが、その後は安値から戻し、横ばい圏で推移している。
前日は、米初のビットコイン先物ETF(上場投資信託)を巡る期待を背景に6万7016ドルを付け最高値を更新していた。
ビットコインは6万6032ドル。更新前の最高値(6万4895ドル)は上回っている。
大手銀行の一部のアナリストは、ビットコイン先物ETFの取引開始による押し上げ効果がいつまで続くか疑問だと分析している。
JPモルガンのアナリストはリポートで「先物ETFの取引開始自体に、ビットコインへの資金流入を大幅に増やす効果はあるのだろうか。そうは思えない。ビットコイン投資家には、すでに多数の投資先の選択肢がある」と指摘。
「強気筋は、このETFがビットコイン市場に新規の資本流入をもたらす新たな投資商品になると考えている。弱気筋は、すでに乱立しているビットコイン投資商品に新たに一つ商品が加わったにすぎないとみている」と述べた。
多くの市場関係者は、最近のビットコイン上昇について、新たな投資商品の導入ではなく、インフレリスクが原因だと指摘。ビットコインは発行量が制限されているため、インフレをヘッジする手段になるとの見方を示している。
ビットコインが今年さらに上昇するとの見方も出ている。
スタック・ファンズ(シンガポール)のマット・ディブ最高執行責任者(COO)は「年内に8万か9万(ドル)に到達すると思うが、値動きの荒い局面もあると思う」と述べた。
ディブ氏は、ここ数日、トレーダーがビットコイン先物購入のための貸借取引で高値もいとわなくなっており、やや過熱感が出ているため、反動が来る可能性があると指摘した。
さらに、ビットコインから他の仮想通貨に乗り換える動きも出てくると予想した。
イーサは1%上昇し4203ドル。
市場参加者は、米でビットコイン先物に連動するETFの取引が始まったことが買いを後押ししていると述べた。
クリプトコンペアのデータによると、今月ビットコイン関連ファンドには週平均1億2110万ドルの資金が流入。9月の3120万ドルから大幅に増えている。