[グラスゴー 1日 ロイター] - 英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、世界の100人以上の首脳らが1日遅くに共同声明を発表し、2030年までに森林破壊や土地の劣化を終わらせると表明した。
森林の保護と回復に官民で190億ドルを投資する計画などを打ち出した。
共同声明は、ブラジルやインドネシア、コンゴ民主共和国など世界の森林の85%を占める国々の首脳が支持した。
議長国・英国のジョンソン首相は「自然の征服者としての人類の長い歴史を終わらせ、保護者となる機会だ」と述べ、前例のない合意だとして共同声明を評価した。
目標実現に向け、このほかにも官民による一連の取り組みを打ち出し、森林を守る先住民や持続可能な農業向けに数十億ドルの支援を表明した。
非営利組織の世界資源研究所(WRI)によると、森林は二酸化炭素(CO2)排出の約30%を吸収するが、世界の森林面積は2020年に25万8000平方キロメートル減少した。これは英国の国土を上回る広さだ。
今回の合意では、英国を含む12カ国が21─25年に途上国向けに87億5000万ポンド(120億ドル)の公的資金を提供し、劣化した土地の回復や山火事への対応などを支援すると約束。
これに加え、英保険会社アビバや英資産運用会社シュローダーズ、 仏保険会社アクサなど民間投資家30社超が少なくとも53億ポンドを提供する。
資産運用総額で8兆7000億ドルを超えるこれらの投資家は、森林破壊に関連する活動への投資を25年までに停止することも約束。
家畜やパーム油、大豆、パルプ生産に関連した森林破壊を25年までに終わらせるため「最善の努力」をすると表明した。
さらに、米英など5カ国と複数の国際慈善団体が、先住民による森林保護や土地に関する権利強化を支援するため17億ドルを提供する方針を示した。