[サンフランシスコ 20日 ロイター] - 米アップルは19日の社内サイトへの投稿で、従業員に対し、労働条件について「自由に話をする」ことは禁止していないと念を押した。秘密主義で知られる同社を巡っては、従業員が給与などについてオープンに話す権利があると認識していないケースが散見されるとの指摘もある。
投稿は「懸念を抱いている全ての従業員に、社内外を問わず最もやりやすい方法で懸念を提起するよう奨励する」と記された。
アップルのスポークスマンはコメントを控えた。
アップルの業務遂行に関するポリシーには、従業員が給与や勤務時間、労働条件を議論する権利は制限されていないとの文言が既に含まれている。こうした権利は一般的に米国の法律によって守られている。
ただ、現・旧従業員が職場での嫌がらせや差別などの問題を公にする「#AppleToo」運動を担ってきた同社の元プログラム・マネジャー、ヤネケ・パリッシュ氏は、過去数カ月に会社に意見した従業員は抵抗に遭ったと指摘。同氏は同運動で主導的役割を果たした後に、解雇された。
同氏とともに従業員アクティビズムで中核的役割を果たしてきたソフトウエア・エンジニアのシェール・スカーレット氏は最近ツイッターで、退社を表明した。スカーレット氏は、アップルが従業員同士の給与に関する議論を阻止したとして米全国労働関係委員会(NLRB)に申し立てた。
同氏の弁護士は、問題は既に決着し、申し立てを取り下げる見通しだと述べた。