[シドニー 13日 ロイター] - オーストラリアのバイオ医薬大手CSLは13日、スイスの医薬品大手ビフォー・ファーマの買収に向けた交渉を進めていることを認めた。
一部報道によると、買収額は100億豪ドル(72億ドル)前後になる見通し。血漿製品以外にも事業を拡大する。
CSLの主力事業は、希少疾患の治療に使う血漿の採取とワクチンの開発で、事業の多角化を迫られている。
血漿採取の市場は、新型コロナウイルスの流行に伴う移動制限やコロナに対する懸念で低迷。ワクチン事業も、新型コロナワクチンの開発中断で見通しが悪化している。
アナリストによると、CSLにとって過去最大の買収となる。実現すれば、ビフォー・ファーマが開発する鉄欠乏疾患、腎臓疾患、心腎疾患の治療薬のほか、スイス、ポルトガルの生産拠点を傘下に収められる。
ただ、大幅なコスト削減につながらないため、メリットは限られる可能性もあるという。
CSLは詳細を明らかにしておらず、買収で合意が成立する保証はないとしている。