[16日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は16日、新型コロナウイルスのワクチンについて、モデルナ製かファイザー/ビオンテック製を接種するよう勧告した。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)製は、まれに血栓症が起きると報告されている。
この日、CDCの諮問委員会は、J&J製よりも、モデルナかファイザー/ビオンテックを優先して使用することを全会一致で推奨していた。
CDCのデータによると、米国では2億人超がワクチン接種を完了しているが、J&J製ワクチンの接種者は約1600万人にとどまっている。
J&Jは文書で、同社製ワクチンを使用する人たちの安全と健康が最優先事項だとし、次のステップでCDCと協力することに前向きだと表明した。
同社製ワクチンについては、血小板の減少を伴う血栓症の発症例が報告されている。
CDCはこうした血栓症の発症率は従来の推定よりも高いと指摘。米国で確認された発症例は50件を上回っており、少なくとも9人が血栓症で死亡しているという。
諮問委のメンバーはまた、J&J製ワクチンは他の2種類のワクチンに比べ、新型コロナウイルス感染症の予防効果が低いとの見方を示した。
諮問委に説明したJ&Jのワクチン研究開発グローバル責任者、ペニー・ヒートン氏は、同社製ワクチンは1回のみの接種で強力かつ持続的な免疫反応を起こすと強調した。
同社製ワクチンは3月に緊急使用許可を取得。米当局は4月に、血栓症の発症事例について調査するため、10日間使用を停止した。