[20日 ロイター] - 米モデルナは20日、同社の新型コロナウイルスワクチンについて、ブースター接種(追加接種)を行えば、オミクロン株に効果があるとみられるとの臨床試験結果を明らかにした。
オミクロン株の感染が急速に拡大していることもあり、現行バージョンの「mRNAー1273」を引き続き「オミクロン株に対する防御の最前線」で利用することを決めたという。
オミクロン株を対象としたワクチン開発も続ける計画で、来年初めの臨床試験開始を目指しているという。
ポール・バートン最高医療責任者(CMO)は、インタビューで「現在入手できるのは1273だ。極めて有効で極めて安全だ」と述べた。
同社によると、2回の接種ではオミクロン株に対する中和抗体の量が少ないが、50マイクログラムの追加接種でオミクロン株に対する中和抗体の量が37倍増加した。100マイクログラムの追加接種では、中和抗体の量が80倍以上増加したという。
データは査読前のもの。同社によると、100マイクログラムの追加接種は総じて安全で許容範囲内だが、副反応が起きる頻度が若干増える傾向があるという。
モデルナは、2回接種時点でのオミクロン株への予防効果について、どの程度入院や死亡を防げるかは明らかにしていない。
スティーブン・ホーグ社長は、他の研究ではオミクロン株に対して「妥当かつ強固な」T細胞反応が維持されていることが示されたと述べ、重症化を防ぐ可能性を示唆した。T細胞はウイルスに感染した細胞を認識して排除する。