[ソウル 7日 ロイター] - 韓国のサムスン電子は7日、2021年第4・四半期の営業利益が前年同期比52%増加し、同四半期として4年ぶりの高水準になるとの見通しを示した。サーバー用メモリーチップの堅調な需要や半導体受託生産の利益率改善が背景。
営業利益は13兆8000億ウォン(115億ドル)の見通しで、第4・四半期としては2017年以来の高水準。リフィニティブの予想である15兆2000億ウォンは下回ったが、アナリストは従業員への賞与やモバイル事業のマーケティングコストなどが要因と分析した。
ケープ・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、パク・サンスン氏は「コンセンサスを下回ったのが衝撃だったようだが、見た目ほど悪い数字ではないと思う」と述べ、「第4・四半期にさまざまなコストを計上したようだ」と説明した。
また「現時点で予想されている半導体出荷に変更があるかどうかは不明だ」と語った。
サムスンの発表によると、売上高見通しは23%増の76兆ウォン。詳細な決算は27日に発表される。
アナリストによると、メモリーチップ価格は第4・四半期に下落したが、サーバー用の需要が増加したことで、データセンターで広く使用されるDRAMチップとハイテク機器のデータ保存に使用されるNANDフラッシュメモリーチップの出荷量が、ともに前四半期から増加した。
ハンファ投資証券のアナリスト、イ・スンハク氏は、台湾積体電路製造(TSMC)と競合する受託生産を含むロジックチップ事業も、第4・四半期の営業利益が出荷増と価格上昇により1兆ウォンを超える水準に跳ね上がる見通しだと述べた。
また、カウンターポイント・リサーチは、サムスンのスマートフォン推定出荷台数を約6700万台とし、前四半期(6930万台)に近い水準になると予想した。
サムスン電子株は午前の取引で1.3%値上がりしている。同社株は昨年11月初旬以降、約11%上昇。今年上半期のメモリー半導体が予想ほど値下がりせず、その後値上がりに転じるとの期待が背景。データセンター、ビデオゲーム、電子会議向けの需要が支援要因になるとみられている。
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