[ワシントン 18日 ロイター] - 通信大手AT&Tとベライゾンは18日、19日に開始予定だった第5世代(5G)移動体通信の新サービスについて、航空業界への影響に配慮して主要空港周辺での運用の一時延期に合意した。
Cバンド5Gと呼ばれる同サービスを巡っては、航空管制の妨げになる可能性があるとして延期を求める声が上がっていた。
延期の期間など詳細は不明。両社は主要空港周辺以外の地域では予定通り19日に運用を開始する。
関係筋がロイターに明らかにしたところによると、ベライゾンは当局と航空会社が恒久的な解決策を検討する間、空港周辺の約500の基地局の稼働を延期する。これは予定していた数の10%以下という。
当局者は、影響を受ける基地局の大部分がベライゾンの設備だと述べた。
連邦航空局(FAA)は5Gサービスにより発生する電波干渉が無線高度計など航空機の精密機器に影響を与え、視界が悪い状況での運航を著しく妨げる可能性があると警告していた。
米連邦通信委員会(FCC)のジェシカ・ローゼンウォーセル委員長は声明で、FAAには「5G環境で高度計の作動状況を調べ、懸案事項を解決するプロセスがある。注意とスピードをもってこのプロセスを完了することが不可欠だ」と述べた。
FAAは、今回の発表にもかかわらず「一部の無線高度計の限界によって一定の影響が生じる」との見方を示した。
AT&Tとベライゾンがサービス延期に応じるのは3回目。両社は昨年11月、1月5日まで30日間の延期に合意。今月初めにも19日まで延期し、主要空港の周辺に緩衝地帯を設けるなど新たな対策を講じるとしていた。
バイデン大統領は両社の決断に謝意を表明。声明で「今回の合意により、旅客や貨物輸送への壊滅的な影響を回避しつつ、90%以上の基地局稼働が予定通り進む」と述べた。その上で、実現可能な恒久的解決策を得るまで、各方面との調整を継続する方針を示した。