[香港/ロンドン 20日 ロイター] - 中国恒大集団の海外債権者グループは20日、同社が債務不履行(デフォルト)状態を解消する取り組みを加速しない場合、法的権利を守るために「あらゆる行動」を取る用意があり、強制措置も視野に入っていると警告した。
同グループは法律事務所カークランド・アンド・エリスと投資銀行のモーリスが代理人を務める。声明で、恒大が協議する姿勢を示していないため、強制措置を「真剣に検討」せざるを得ないと強調した。
同グループの助言役の1人はその後、ロイターに対し、この声明を受けて恒大の担当チームとやり取りが行われていると明らかにした。
恒大と同社の助言役を務める米投資銀行フーリハン・ローキーの担当者はコメントを控えた。
債権者グループの声明は恒大が「海外債権者と、債権者の法的権利を無視した」との印象が強いと指摘。同社と実質的な協議を行おうとしてきたが「詳細を欠いたあいまいな意思表示しか得られていない」と主張した。債権者に諮ることなく資産を売却しないよう求めた。
恒大の取締役らに対し、債権者の利益を最大限考慮する「フィデュ―シャリー・デューティー」を果たすよう促した。
恒大の外貨建て社債は「無担保」で、香港の関連会社が発行主体となっている。債権者は今後、まだ期日が到来していない分の社債の前倒し返済を求めることが可能で、恒大は受託者から即時返済の指示を受けることになる。
恒大が返済資金を確保できなかった場合、社債を発行した香港関連会社に清算命令が出る可能性があり、そうなれば債権者が取り得る行動の選択肢も増えることになる。ただ、返済の代わりに恒大が中国本土に持つ資産の譲渡を受けることは難しいとみられる。