[1日 ロイター] - 米当局は、米製薬大手ファイザーと独バイオ企業ビオンテックの新型コロナウイルスワクチンについて、5歳未満の子どもに対しても緊急使用許可(EUA)を与えるかどうか検討している。早ければ月内に判断を下す見込み。
両社は1日、米国内での5歳未満の子どもを対象としたコロナワクチンのEUA獲得に向け、米規制当局へのデータ提出を開始したと発表した。
米食品医薬品局(FDA)のウッドコック長官代行は「この年齢層の子どもたちに安全で効果的なワクチンを提供することが優先事項だ」と述べ、最近のオミクロン変異株急拡大を受け、FDAがEUAの申請を要請したと明らかにした。
ファイザーとビオンテックは、2─4歳を対象とする治験で主要な目標はまだ達成されていないものの、FDAの要請を受けてデータを提出し始めたと説明した。
FDAによると、外部専門家による諮問委員会が15日に会合を開き、承認するかどうかについて協議する。
諮問委員会の会合後にFDAが承認した場合、米疾病対策センター(CDC)も独自の諮問委会合を開き、ワクチン接種の実施方法について承認する必要がある。CDCの諮問委会合はFDAの決定から約1週間以内に行われることが多い。
両社によると、このワクチンは最終的には3回接種が標準になる予定だが、まずは最初の2回分の承認を求めている。
ファイザーのアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)は、現在や将来の変異株に対する高い予防効果を得るため、3回接種が必要になるという考えを示した。
両社は数日中にEUA取得に向けたデータの提出を完了する見込みで、その後3回目接種に関するデータも提出する見通しという。
両社のワクチンは、米国で成人には正式承認されており、5歳以上の子どもには緊急使用が承認されている。
ただ、5─11歳へのワクチン接種が開始された昨年11月以降、2回接種を受けた子どもの割合は22%程度にとどまっている。
乳幼児へのワクチン接種が可能になれば、隔離や保育所などの閉鎖と仕事の両立に追われる親の助けとなる可能性があるが、ワクチンを接種させる親がどれほどいるかは不明だ。