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スズキが今期売上高・四輪販売を上方修正、原材料高で営業益維持

発行済 2022-02-04 15:53
更新済 2022-02-04 18:36
© Reuters.  2月4日、スズキは、2022年3月期の連結売上高が前期比7.0%増の3兆4000億円になる見通しと発表した。写真は同社のロゴ。都内で2017年10月に撮影(2022年 

[東京 4日 ロイター] - スズキは4日、2022年3月期通期の連結売上高が前期比7%増の3兆4000億円になる見通しと発表した。従来から2000億円上振れる。四輪の年間販売計画を上方修正した。原材料高などが響き、営業利益・純利益は従来予想を据え置いた。

通期の四輪販売計画は266万5000台と従来から17万9000台上方修正した。インドや日本での需要は旺盛で、部品不足に伴う減産規模が想定から下回ることを反映した。長尾正彦取締役は電話会見で、インドでは納車待ちの注文が積み上がっており、「1月末時点で22万―23万台くらいある」と述べた。

半導体を含む部品不足による生産への影響は、昨年11月時点では約64万台とみていたが、45万台に縮小する。国内工場の稼働は、従来は期初計画比70%を想定していたが、81%に改善する。

昨夏から半導体の安定確保に向けた取り組みを開始し、長尾氏は「足元で徐々に調達でき始めている」と説明。1次サプライヤーに数カ月単位で半導体確保を依頼したり、取引先と長期での発注を協議したりするなどしているという。ただ、半導体不足の影響は「当面、来期まで続く」との見通しを示した。

今期の純利益予想は2.4%増の1500億円、営業利益予想は前期比12.6%減の1700億円。アナリスト19人による営業利益の事前の市場予想(IBESのコンセンサス予想)は1977億円となっている。

11月に公表した営業利益予想に対し、四輪販売計画の上方修正で440億円、為替の影響で30億円、半導体不足に伴う研究開発費の減少で100億円上振れる一方、鋼材などの価格高騰で250億円、品質関連費用などの諸経費で300億円押し下げる。

長尾氏は、原材料高が「一番の大きな懸念材料」と指摘し、対応策として、インドでは1月に平均2%の値上げを実施したと語った。値上げは4回目といい、「インド以外の海外でも適宜、値上げできるものはしている」と話した。

今期の経常利益は7.4%減の2300億円に従来から100億円上振れる。インドでの投資信託売却に伴い計上した受取利息524億円を織り込んだため。

同時に発表した21年10─12月期の連結売上高は前年同期比0.5%減の9007億円、営業利益は25.6%減の476億円だった。半導体不足などによる減産や原材料高などが響いた。投資有価証券売却益を計上した前年同期からの反動もあり、純利益は40.2%減の353億円だった。

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