[東京 4日 ロイター] - 東芝は4日、空調子会社を売却し、会社再編計画を3分割から2分割に見直す方向で検討していることを明らかにした。上位15社に名を連ねる株主の1社はロイターの取材に対し、経営陣の都合のみを考慮したものだと批判した。
同社は昨年11月、グループを3つの会社に再編し、インフラ事業とデバイス事業を手掛ける2社を上場させる計画を公表したが、株主から批判の声が上がっていた。
日本経済新聞は4日、東芝が3社分割案を2分割に見直すとともに、産業競争力強化法の特例措置を年内に申請すると報じた。分割には株主総会の特別決議が必要だが、特例措置が認められれば普通決議で可能になるとしている。空調子会社の東芝キヤリアを売却する方針を固めたとも伝えている。売却額は1000億円規模で、非中核事業を切り離して還元に取り組む姿勢を示し、株主の理解を得たい考えだという。
東芝は4日夜、「報道にあるような再編スキームの改良やポートフォリオの見直しについても検討しているのは事実」とのコメント発表した。7─8日に開く投資家向け説明会で明らかにするとしている。
東芝の株主の1社は匿名を条件にロイターの取材に応じ、「(東芝の)戦略委員会は3分割を提案したが、株主総会で3分の2の承認が必要と気づいた経営陣が自分たちの都合に合わせ、(その必要がない)2分割案に見直した」と指摘。株主が経営陣の説明責任の欠如を批判するのは当然だとした。