[ワシントン 16日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)は16日、中国の世界貿易機関(WTO)ルール順守状況に関する年次報告を発表し、中国の「政府主導の非市場的政策・慣行」に対処するには新たな戦略を実施し、米国内の関連規制などを改正する必要があると表明した。
トランプ前政権時代に締結された米中の第1段階の貿易協定について、中国の産業政策や「大規模な資金資源」を含む支援政策に対する米国の懸念に根本的に対処できていないと指摘。
規制面で国内産業を優遇したり、輸入品・サービスの市場アクセスを制限するといった中国の支援措置は、往々にして生産や市場シェアなどの特定の目標を狙ったものだとした。
報告書は、2001年の中国のWTO加盟以降、毎年作成されており、今回の報告は、タイ氏がUSTR代表に就任してから初めてとなる。
タイ代表は声明で「中国はWTO加盟時に約束したにもかかわらず、WTOとWTOルールの礎である市場原理の原則を支持していない。それどころか、経済や貿易について政府主導の非市場的方針を拡大させている」と述べた。
報告書は「中国は米国の通商関連法規制の多くが策定された数十年前には想定されていなかった不公平な政策や慣行を実施している」と指摘。「米労働者や企業により公平な競争環境を確保」するために改正する必要があるとした。
豚肉や牛肉に使用される肥育促進剤(ラクトパミン)のリスク評価など、第1段階の合意に盛り込まれた約束を中国が守っていないと指摘した。
中国商務省の高峰報道官は17日、米国が中国との貿易について合理的かつ実用的なアプローチを取り、二国間関係を正しい軌道に戻すべきと主張した。
「米国が中国に非市場的というレッテルを貼ることは、国際経済・貿易ルールに根拠がなく、事実とも一致しない」と述べた。