執筆:Dhirendra Tripathi
Investing.com -- ウクライナ情勢をめぐる緊張の高まりにより、戦争勃発を防ぐための外交努力が続く中、米国株式市場は木曜日に急落した。
|ダウ工業株30種平均はセッションの最安値で600ポイント以上下落し、取引時間が残り30分を切った時点で560ポイントの下落まで戻したものの、結局622ポイントの下落となった。
ロシアはモスクワの米国大使館のナンバー2の高官を追放し、バイデン大統領は、ロシアが数日以内にウクライナに侵攻する可能性が非常に高いと述べた。
ロイター通信は、ロシアに支援された反政府勢力とウクライナ軍が、両者を隔てる前線を越えて砲撃し合ったと報じた(この報道はロシアが作り出した侵略の口実の可能性があるようだと当局者が述べたことも含めて引用している)。
ロシアがウクライナから軍を撤退させるとの主張と矛盾しているため、市場はウクライナ情勢の平和的解決か戦争突入かの見通しが揺れた1週間となった。米国政府高官や他の西側諸国当局者は、逆に開戦に向けた行動が起きている証拠があると警戒感を強める。
米国の投資家にとってさらに悪いことに、米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の会合で、予想以上に高止まりしているインフレ率に対応するため、金利を0.5%引き上げる可能性があると予想されている。
これがハイテク株の重荷となり、ナスダックは木曜日に2.7%下落した。
金曜の市場に影響を与える可能性のある3つの事柄を紹介する。
1. Nvidiaの決算発表
水曜日の夕方に決算発表があったが、同社の株価は木曜日に再び下落した。NVIDIA Corporation (NASDAQ:NVDA)は、1株当たりの利益が直近の四半期と同水準であったことを発表し、暗号資産マイニング用プロセッサーの利益貢献に対する懸念が高まった。
同社は良好な決算内容が期待されており、希薄化後の利益に変化がなかったため、市場関係者にとって失望となった。当四半期の暗号資産マイニング用プロセッサの売上は2400万ドルで、前期の売上高の4分の1以下だった。
2. Deereの決算発表
農業機械メーカーであるDeere & Company (NYSE:DE)は、金曜日に第1四半期の決算を発表する予定である。Investing.comのアナリストによると、同社は82億8000万ドルの売上と2.24ドルの1株当たり利益を発表すると予想されている。
3. DraftKingsの決算発表
DraftKings Inc (NASDAQ:DKNG)は、4億4587万ドルの売上で0.8ドルの1株当たりの損失を発表するとみられている。しかし、モバイル・スポーツ・ベッティングを許可している州は増加傾向にあるので、アナリストはその見通しについて注目している。
ロイター通信の報道を参考に当記事を執筆