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情報BOX:ウクライナ・ロシアへ進出する日本企業の現状と対応

発行済 2022-02-24 15:11
更新済 2022-02-24 15:19
© Reuters.

[東京 24日 ロイター] - ウクライナに拠点を置く日本企業は、帝国データバンクによると今年1月時点で57社。ウクライナ国家統計局の対日貿易データでは、輸入額の6割超が自動車で、光学機器、機械類、医薬品と続く。輸出ではタバコが4割超、鉱石が3割弱、アルミニウムが1割を占める。

ロシアも含め、現地に進出する主な日本企業の現状と対応は以下の通り。

●JT

ウクライナには中部クレメンチュクにたばこ工場が1つ、ロシアには5つある。工場は稼働しており、従業員の安全も確認できている。ウクライナ国内の従業員数は約900人おり、日本人はいない。ロシア、ウクライナを含むCIS諸国の2021年度の調整後営業利益はJTグループ全体の約2割弱だった。引き続き動向を注視している。

●ソニー

キエフにエレクトロニクスの販売拠点があり、現地社員が数十人在籍。社員の安全を最優先にしながら現地と連携、情勢を注視している。事業規模からすると連結業績に直ちに大きな影響が生じる可能性は低いが、情勢の悪化が他地域での事業や世界経済の悪化につながらないか注視していく。

●コマツ

ロシアを中心に建設・鉱山機械の生産・販売・サービスなどを展開。ロシアを含むCIS(独立国家共同体)の21年度売上高比率は約8%の見通し。ウクライナに連結子会社などの拠点はなく、ロシアに販売、生産、サービス、ファイナンス関連子会社など複数拠点があるが、現時点で事業活動に影響はない。日本人駐在員も退避していない。

欧米側のさらなる制裁措置でロシア経済が混乱してルーブル安となれば、輸入価格が上昇し、需要減・キャンセルの可能性はある。ドル決済が禁止されれば一時的に混乱はするが、現地法人(KCIS)、リテールファイナンス子会社(KBFC)の取引銀行も制裁の対象外で、ビジネスで取引不能はないとみている。SWIFT(国際銀行間通信協会)の国際決済システムへのロシアのアクセスが禁止された場合はロシアが外貨を一切受け取れなくなり影響は大きい。

●武田薬品工業

現在のところ、ウクライナでの医薬品生産に影響は見られない。現地の従業員は無事で、事業への影響もなく業務を継続している。現地経済団体との連携を継続し、パートナー企業ともBCP(事業継続計画)について協議をしている。

●みずほフィナンシャルグループ

大規模な制裁が発動された場合にも備え、動向を引き続き注視している。

モスクワみずほ銀行については、日本からの駐在員は6人で、現時点では通常通り営業している。

●トヨタ自動車

ロシアではサンクトペテルブルクに工場(生産車種:カムリとRAV4)、モスクワに販売拠点がある。生産・販売の両拠点を合わせて、日本人26人を含む約2600人が勤務。現時点では、緊迫しているウクライナ情勢による稼働等への影響は出ていない。日本人も退避していない。動向を注視している。

●大和証券グループ本社

ロシアではモスクワ支店に社員が3人駐在。今のところ影響が出ているとは聞いていない。通常通り営業している。

●住友商事

ウクライナはキエフ支店で自動車、建設機械、農薬・農資材事業、ロシアではモスクワ本店、ウラジオストク支店、サンクトペテルブルク支店で自動車、建設機械、森林事業を手掛けている。状況を注視し安全確保を最優先に対応している。

●日立製作所

昨年買収した米グローバルロジックのエンジニアリング拠点がウクライナ国内に5カ所あり、キエフや北東部ハリコフなどで約7200人の現地スタッフが勤務。現在も業務は継続しているが、従業員や家族の安全確保を最優先に状況を注視しており、策定済みのBCPプランに基づき、適切な対応を取る方針。

ロシアでは建機事業、パワーグリッド事業を手掛けているが、規模は限定的で大きな影響は想定していない。

●楽天

ウクライナでは首都キエフと南部オデッサで、現地の請負業者が無料通話アプリの楽天Viber事業などに従事。Viberは同国スマートフォンユーザーの97%が利用している。請負業者には安全を優先するよう求め、通常通り業務ができない場合は状況に応じて対応するよう伝えている。

●SBIホールディングス

ロシアの商業銀行SBI Bankを完全子会社として保有。日本企業の現地子会社に銀行サービスなどを提供している。外貨決済ネットワークから除外された場合に備えて、ユーロ、米ドル、日本円の決済手段については欧州の大手銀行とつなぎ取引を継続できるよう対策済み。

●丸紅

ウクライナでは首都キエフと東部ドニプロにオフィスを構え、化学製品と農業関連製品を取り扱っている。従業員の日本人3人はすでに退避。

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