執筆:Dhirendra Tripathi
Investing.com – 週末に緊張が高まり、ウクライナ侵攻をめぐるロシアへの制裁が強化された後、月曜日には株価に売り圧力がかかった。
特に銀行が大きな打撃を受けた。ヨーロッパ諸国と米国当局は、ロシアの銀行を国際的な銀行メッセージング・システムであるSWIFTから締め出し、支払いのための資金の移動を難しくすることや、更に当局は海外にあるロシアの中央銀行の資産を凍結する措置も取られた。この2つの措置により、ロシアの金融システムは閉ざされ、ロシアの株式市場も閉鎖せざるを得なくなった。
ロシアの通貨であるルーブルも記録的な安値となり、米国のテレビ・ニュースでは、銀行のATMから現金を引き出そうと長い列を作っているロシア人の映像が流れた。
ロイター通信によると、ナスダックは、パンデミック開始以来、2カ月で最も急激な下落を記録したと伝えた。
ウクライナ情勢に関するニュースは、ロシアの様々なプロジェクトに対する投資撤退を求める企業への圧力にもなっている。石油メジャーBP (NYSE:BP)は週末、Rosneft社の約20%の株式出資から撤退すると発表、同様にShell (LON:RDSa)は月曜日、Gazprom (MCX:GAZP)の株式出資から撤退すると発表している。
世界がロシアに圧力をかけ続ける中、今後このような売却がさらに発表される可能性がある。
火曜日の市場に影響すると思われる3点を下記に紹介する。
1. Shellによるロシア事業からの撤退
Shell PLC (BS:SHELl)は月曜日、ロシアがウクライナに侵攻した後、ロシアの国営エネルギー会社Gazpromおよび関連団体との合弁事業から撤退する意向であると発表した。この発表を受けて株価は5%近く下落した。
同社は、ロシアのサハリンII液化ガス施設の27.5%、同じくロシアのサリム石油開発およびギダンのエネルギーベンチャーの50%の株式を売却する予定である。
2. Salesforce決算発表
Investing.comのアナリストによると、Salesforce.com Inc (NYSE:CRM)の第4四半期の売上は72億5000万ドル、1株当たり利益は0.75ドルになるとみられている。
3. 小売セクターの決算発表
Target Corporation (NYSE:TGT)の第4四半期の売上高は313億6000万ドル、1株当たり利益は2.85ドルと予想されている。同社の良好な決算発表見通しにより、百貨店やディスカウント・ストアの収益に対して大きく期待の持てる週の始まりとなる。
-- ロイター通信の配信とInvesting.comのスタッフの協力により当記事を執筆