[フランクフルト/ロンドン 29日 ロイター] - ロシアのペスコフ大統領報道官は29日、ロシアに対する「経済戦争」で状況が一変したため、天然ガスを購入する外国企業はルーブルを調達してルーブル建てで代金を払う必要があることを理解すべきだと述べた。
報道官は記者団に、天然ガスを無料で輸出することはないと改めて表明。ガス代金の支払いを簡素化し、明確で現実的なものにする計画を策定しており、3月31日までに全ての選択肢をまとめると述べた。
その上で、プーチン大統領が設定した31日のルーブル支払い期限に合わせ、「簡素で分かりやすく、実現可能なシステム」になるよう、大枠の設定作業が進められていると明らかにした。
マトビエンコ上院議長は、欧州がロシアのエネルギー購入を拒否した場合はアジアに供給を振り向けるとし、ロシアは対応する準備ができていると表明。このほか、下院のアクサコフ金融委員長はルーブルでの支払いに法律の変更は必要ないと述べるなど、実際にロシア産天然ガスの欧州向けの供給が阻害される可能性が高まっている。
ドイツの電力大手RWEのマーカス・クレバー最高経営責任者(CEO)は、ロシア産天然ガスの供給が途絶えた場合、ドイツはごく短期間しか耐えられないと指摘。ドイツのエネルギー企業、エーオンのレオンハルト・ビルンバウムCEOは、ロシア産天然ガスの供給が途絶えればドイツ経済は極めて深刻な損害を受けるとし、ロシアへの依存を解消するには3年かかるとの見方を示した。
欧州連合(EU)の天然ガス貯蔵施設の現時点の貯蔵率は26%。ロシアのエネルギーへの依存からの脱却の難しさが浮き彫りになっている。