サンオ―タス<7623>(東証スタンダード)は、今年3月31日につけた年初来高値488円を意識する動きを強めている。資源エネルギー庁が公表した4日時点のレギュラーガソリンの全国平均価格が、1リットル=174.1円と3週間ぶりに前週を上回ったことから、今年3月11日に発表された同社の今4月期業績の再上方修正を見直し割安修正買いが再燃した。業績再上方修正と同期に増配も発表しており、4月期期末接近で配当権利取りの買い物も交錯した。また来2023年4月期から新中期経営計画を推進し、5割増益を目標としていることも側面支援材料視されている。
■原油価格高騰でガソリン価格が上昇し販売数量も堅調
同社の今4月期業績は、昨年12月に上方修正されたが、その増額値を今年3月の第3四半期(2021年5月~2022年1月期、3Q)決算開示時に再上方修正した。12月修正値より売り上げを3億円、営業利益と経常利益を各8000万円、純利益を2000万円引き上げ、売り上げ162億円(前期比10.0%増)、営業利益3億2000万円(同51.4%増)、経常利益3億円(同52.7%増)、純利益2億円(同30.1%増)と期初の減益転換予想が増益となり大幅続伸を見込んでいる。同社は、神奈川県下でガソリンスタンドを展開しており、ロシアのウクライナへの軍事侵攻に伴う原油価格の高騰で、国内のガソリン価格が、1回目の上方修正時の1リットル=160円台からさらに1リットル=170円台前半まで上昇しており、販売価格が上昇して適正なマージンを確保し、販売数量も増加していることが要因となった。足元のガソリン価格は、この再上方修正時の水準を上回ったことになる。
配当は、期初予想の10円(前期実績10円)を業績再上方修正に伴い15円に引き上げ連続増配を予定している。この増配により年間配当利回りは、3.23%となり、4月期決算会社の全市場ベースの高配当利回りランキング(10月期決算会社も含む)では第15位にランクインする。なお新中期経営計画では、最終年度(2025年4月期)の目標業績として純利益を3億円と策定しており、今期予想比で50%増益となり、利益還元策としても配当性向を今期予定の23.5%から30%に引き上げることを目指す。
■低PER・PBR修正で値幅取りも有望で昨年2月高値奪回を視野
株価は、今期業績の期初の減益転換予想や第1四半期業績の伸び悩みが響いて320円安値まで売られたが、原油価格上昇とともに売られ過ぎとして再三のストップ高を交えて底上げ、1回目の業績上方修正、再上方修正、増配と好材料が続いて年初来高値488円まで52%高した。同高値後は利益確定売りも交錯してもみ合っていたが、PERは7.2倍、PBRは0.53倍、配当利回りは3.23%と割り負けており、期末の配当権利取りのインカムゲインのほか、値幅取りのキャピタルゲインも期待される。年初来高値を上抜き昨年2月につけた629円高値を視野に入れよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)