執筆：Yasin Ebrahim
Investing.com -- 米連邦準備制度理事会（FRB）の3月FOMC会合の議事要旨で、FRBが高止まりするインフレを抑制するために金融政策引き締めのペースを速めることを検討していることが明らかになった翌日、投資家がハイテク株の押し目買いで、ダウ工業株30種平均の下落は止まった。
ダウ工業株30種平均は0.3%、87ドル、S&P500は0.4%、ナスダックは0.1%、それぞれ上昇した。
投資家が大型ハイテク株を押し目買いしたことから、Apple (NASDAQ:AAPL)やMicrosoft (NASDAQ:MSFT)などのハイテク株は、直近の下落から上昇に転じて引けた。しかし、Alphabet (NASDAQ:GOOGL)とFacebook (NASDAQ:FB)は小幅安で引けた。
HP (NYSE:HPQ)は、ウォーレン・バフェット氏のBerkshire Hathaway (NYSE:BRKa)が同社の11.4%の株式を取得したと公開した後、15%以上急騰した。
一方、Twitter (NYSE:TWTR) は、ニューヨーク・タイムズがニュース・ルームのスタッフに対し、このツイッター利用に費やす時間を「大幅に減らす」よう指示したと報じられ、コミュニケーション・サービス関連株の幅広い下落を牽引する形で約5%下落した。
米国債利回りは、投資家がFRBの金融引き締め策を織り込み済みとする中、直近の上昇基調を続けた。
「月950億ドルを上限とした縮小額は、我々が予想していた800億ドルの縮小よりもいくらか大きい...」とMorgan Stanleyは述べている。
また、「FOMCは今年5月と6月のFOMC会合で0.5%、その後年内は会合ごとに0.25％の政策金利の引き上げを行うと引き続きみている」と付け加えた。
貸出利回りの上昇というポジティブな側面もあるが、FRBのタカ派的なインフレ抑制策が景気を後退させ、銀行の不良債権を増加させるのではないかという懸念の中、銀行株は下げ幅を拡大した。
Lincoln National (NYSE:LNC)、Signature Bank (NASDAQ:SBNY)、SVB Financial (NASDAQ:SIVB)がそれぞれ大きく下落した。
ロシアがウクライナ東部での戦闘を強化しているように考えられるため、ウクライナとロシアの停戦が近いという観測が薄れ、市場のセンチメントは悪化している。
ロシアが戦争行為を続け、戦闘行為を緩める気がないことを受け、国連人権理事会はロシアの理事国資格を停止した。
一方、米国の議員たちは、ロシアからの原油、天然ガス、石炭の輸入を禁止し、さらにロシアから「最恵国待遇」を剥奪することを決議した。これにより、ロシアとの従来の貿易が終わり、今後関税の引き上げにつながる可能性がある。
国際エネルギー機関（IEA）加盟国が6000万バレルの原油放出に合意したことを受けて上昇が止まった原油価格が、この日の安値から上昇し、エネルギー株もプラスに転じた。
Levi Strauss (NYSE:LEVI)は、サプライ・チェーンの混乱による販売が減少していたが旺盛な需要によって緩和され、予想を上回る四半期業績を発表した後、下落幅を縮小し0.7%安で引けた。