[11日 ロイター] - 米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は11日、米ツイッターの取締役に就任する計画を撤回したと発表した。
ツイッターは5日、マスク氏を取締役に指名すると発表。9日付で正式に指名される予定だった。しかし、ツイッターのパラグ・アグラワルCEOは10日、マスク氏が就任しないことを決めたと明らかにしていた。
マスク氏とツイッターのどちらも撤回の理由を明らかにしていない。マスク氏は11日の開示資料で、ツイッター株の保有率を現在の9.1%から引き上げることや、同社に何らかの取引実施を迫ることが可能になったと表明。ただ、そうした計画は現時点でないとした。
アグラワル氏は10日のツイートで従業員に対し「今後の波乱要因」について警告を発しており、同社を批判するマスク氏のツイートが念頭にある可能性がある。マスク氏の取締役就任撤回については、「最善の結果」との認識を示した。
マスク氏は11日、週末に投稿したツイッターに関するコメントの多くを削除したが、理由は不明。ツイッター上の広告排除や、社名からアルファベットの「w」をなくすなどの要求が含まれていた。
米証券取引委員会(SEC)で弁護士を務めたジェイコブ・フレンケル氏は、マスク氏が取締役就任を撤回したことは異例だが、証券関連法には違反していないと分析。
マスク氏が計画公表後に撤回したのは今回が初めてではない。2018年にテスラの株式非公開化計画をツイッターで明かしたが、実施はせず、SECから投資家を欺いたとして提訴された経緯がある。マスク氏とテスラが罰金を支払い、同氏が会長職から退くことで訴訟は和解した。