[東京 1日 ロイター] - トヨタ自動車グループで自動車部品国内最大手のデンソーは、内製する半導体を売り上げに換算して2025年に約2割増やす。外部から調達する半導体も、1年先に使用する数量を前倒しで発注する。1日に開いた半導体戦略説明会で明らかにした。半導体は車の電動化で需要が増える一方、供給不足が長期化していることから安定調達に向けた取り組みを強化する。
内製する半導体の売上相当額は25年に5000億円と現在の4200億円から約2割増やす。電気自動車(EV)の電力を変換・制御するパワー半導体や電池の温度などを監視するアナログ半導体などの製品を中心に強化する。
外部からの調達分は、世界的に半導体不足が続く中で1年先の分まで発注することにした。従来は約3カ月先の分を発注していた。半導体メーカーとの連携も深め、今年から2年先にあたる24年の想定発注数量を内示するようにした。10年後の技術や数量の動向も半導体メーカーと共有し、需給逼迫に備える。
発注を前倒しすると在庫が膨らむリスクもあるが、社内外の在庫情報を一元化して可視化することで、どの半導体が足りなくなりそうかなどを迅速に把握できるシステムを今年中に整備する。
デンソーは半導体の安定調達に向け、受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)などが日本に建設する工場も活用していく。デンソーは2月、TSMCがソニーグループとともに熊本県で建設する工場子会社に約400億円出資することを発表。4月には半導体受託生産で台湾大手の聯華電子(UMC)と車載パワー半導体の国内生産で協業することも発表した。