[東京 7日 ロイター] - 東芝の社外取締役で指名委員会委員のジェリー・ブラック氏は7日、取締役候補に選任された「物言う株主」幹部2人について「個人の能力で評価された」と述べ、取締役会が特定の株主に偏っているとする社外取締役の綿引万里子氏の意見に反論した。ロイターとのインタビューで述べた。
東芝は28日の定時株主総会で取締役候補13人の選任案を諮る予定で、うち2人は主要株主ファンド、米ファラロン・キャピタル・マネジメントの今井英次郎氏と米エリオット・マネジメントのナビール・バンジー氏。
同じく社外取締役で指名委員会委員の綿引氏は、多様性や公平性、バランスの観点から、2人の選任に反対している。特に、社外取締役で指名委員会委員長のレイモンド・ゼイジ氏と今井氏のファラロン関係者2人を取締役に迎えることは、特定の株主に偏っていると主張している。
ブラック氏は、綿引氏の意見は尊重するとしたが、今井氏とナビール氏2人の選任に関しては「利益相反を防ぐための合意書を結んだので、利益相反となるようなことはない」と説明。「取締役会に偏りがあるとの指摘には反対」と述べた上で、「2人は取締役会に貢献する素晴らしい存在になる」との見解を示した。
同席した島田太郎社長は、執行を担う側として「(取締役候補を)判断する立場にない」と述べ、綿引氏の指摘に対して明言を避けた。一方、自身に課せられた役割は企業価値を高める施策を1つ1つ丁寧に進めていくことだとの認識を示し、「素晴らしいプランとその実行のみが問題を解決する」と語った。