OUGホールディングス<8041>(東証スタンダード)は、3月29日につけた年初来高値2871円を視界に捉えている。同社株は、今2023年3月期純利益を連続の2ケタ増益と予想しているうえに、新型コロナウイルス感染症の水際対策の入国規制が緩和され、6月から1日当たりの海外から入国者が1万人から2万人に拡大され、さらに国内旅行需要を喚起する「GoToキャンペーン」の再開も検討されていることに期待して、インバウンド(外国人観光客)関連や宿泊・外食関連の水産物販売が持ち直すとして割安株買いが再燃した。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し、その上向きの25日線が、75日移動平均線に接近し間もなくGCを示現することも先取り、上昇トレンド転換を示唆しているとして買い手掛かり材料となっている。
■内食・量販店向け需要は堅調で外食・宿泊・インバウンド関連も回復
同社の今2023年3月期業績は、売り上げ3100億円(前期比3.8%増)、営業利益27億円(同6.2%減)、経常利益29億円(同6.2%減)、純利益19億円(同41.3%増)と増減マチマチの予想となっている。水産物卸として水産物荷受事業、市場外水産物卸事業、養殖事業で内食向けや量販店向けが堅調に推移し、外食、宿泊、インバウンド向けも徐々に回復しつつあるが、急激な円安・ドル高による輸入水産物の価格高騰から慎重に先行きを見込んでいるもので、純利益は、前期に子会社の固定資産に計上した減損損失が一巡して連続の大幅増益となる。
ただこの業績ガイダンスも、インバウンド関連の入国規制の緩和や国内の行動制限の解除、さらに「GoToキャンペーン」の再開などで外食、宿泊、インバウンド関連の需要が持ち直しを鮮明にすれば修正の可能性もある。なお今期配当は、年間60円(前期実績60円)の安定継続を予定している。
■ミニGC示現でPER8倍、PBR0.6倍の割安修正に弾み
株価は、前期第1四半期業績の黒字転換で昨年9月に3020円高値まで買われたが、その後の四半期決算の黒字転換に反応は限定的で、今年2月の前期通期業績の上方修正も、純利益が減損損失計上で下方修正となったことで2700円台での小動きにとどまった。ただ期末の配当権利取りで年初来高値2871円まで買われ、この配当権利落ち後安値2610円からは今期純利益の連続増益予想や入国規制の緩和などで再び年初来高値を目指してきた。ミニGC示現、GC示現接近などで上昇トレンド転換も鮮明化しており、PER8.14倍、PBR0.64倍の割安修正で年初来高値2871円を奪回し、昨年9月高値3020円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)