■TDCソフト (TYO:4687)の業績動向
また、各企業のパブリッククラウドの活用が進むなかで、クラウド設定のミスや理解不十分な構築によるセキュリティホールの存在など、攻撃者の格好の的になりやすい状況において、各企業が抱えるクラウドに対するセキュリティの不安を診断により可視化することで、安心・安全な運用を支援するクラウドサービス(Amazon Web Services:AWS)を開始。
さらに、MicrosoftのAzure上でも診断できるサービスを拡充する取り組みを進めている。
診断基準には、世界的なベストプラクティスがまとまったCISベンチマーク※を利用し、自動的に診断を行うツールを開発、可視化、診断レポートを提供する。
ただし、セキュリティ診断サービスは2022年1月にスタートしたばかりであり、前期の業績にはほぼ反映されていない。
その点で、今後の業績にどの程度寄与するのかを見極める必要がある。
※CISベンチマークを利用し、クラウド上の各種サービス(AWS Identity and Access Management(IAM)、Amazon EC2、AWS CloudTrail…etc.)の設定について、OK(成功)、WARN(警告)、FAIL(失敗)の三段階で評価。
全体の評価をまとめたレポートを提供することで可視化し、日次、週次など任意の間隔で診断(定期実行)する。
その他、2021年8月にはネットワークを中心としたコンサルティング事業と企業のインキュベートを主たるビジネスとして展開する(株)インターネット総合研究所(IRI)と、サイバーセキュリティ分野において、アライアンス契約を締結した。
システムのオープン化・クラウド化が進み、利便性の高いサービスが構築され運用されている一方で、悪意を持つ第三者によるサービスの停止、情報の漏洩などのサイバー攻撃に対するリスクがかつて無いほど高まっている。
企業のセキュリティに対する不安が増している状況のなか、同社とIRIはセキュリティに対する不安を解消するために新しいビジネスモデルを含めたサービスを共同検討し、新たなサービスとして付加価値を加え、顧客の要望に応えビジネスリスク低減を図る。
さらに、資本・業務提携を結んだclosip(旧LTE-X)のほか、運輸会社と連携し、ローカル5Gにつながる要素技術の獲得を目的としたPoC(Proof of Concept:本格的にプロジェクトを開始する前に検証すること)案件を実施している。
ローカル5Gの本格普及に先駆けてサービス開発を継続し、実証を積み重ねることにより、将来的に需要が見込まれると考えられるローカル5G向けサービスにおいて、先行者メリットを獲得することになると弊社では考えている。
ただし、現状はようやく5Gが企業や個人に浸透してきた段階であり、将来的に普及期が訪れる局面においては、先行者メリットを享受することになるだろう。
近い将来には企業のオフィスや工場などといった限られた範囲の中で、ローカル5Gを利用して手軽に専用網を構築できる動きが期待されている。
東京など首都圏集中によって地方の医療現場は人手不足で窮地に陥っているなか、ローカル5Gを活用した遠隔診療の実証などが総務省や自治体主導で実施されている。
また、最近では国内の大規模病院の3ヶ所がハッカーに侵入されたといった報道もあった。
医療のデジタル化が進む一方で医療機関へのサイバー対策が求められており、同社が重点戦略として挙げている高付加価値SIサービスのサービス拡充とともに引き続き事業拡大が期待される分野であると弊社では見ている。
「SIモデル変革の推進」においては、オープンイノベーション活動を通じたSI事業の高付加価値化や、新サービスに向けた取り組みを進めている。
米国Scaled Agile, Inc.とのパートナーシップによるアジャイル関連事業、closip(旧LTE-X)とのセキュリティ事業、エールビジネスコンサルティング(株)とのソリューション事業など、グループシナジーの創出に向けた取り組みを推進。
インターネット総合研究所ともサイバーセキュリティ分野においてアライアンス契約を締結しており、顧客企業のビジネスリスクを低減させるための、新たなサービスの提供の動向についても注目したい。
また、サービス品質水準の向上として、ハイスキル人材のシェアリングを推進するなどサービス品質水準の向上に取り組む。
プライスコントロールとして、プライスリストを活用し、標準価格からの差異に着目した管理・取り組みを推進。
トラブルプロジェクトの撲滅として、プロジェクトパフォーマンス評価制度の導入などのトラブルプロジェクトの撲滅を図っている。
これらの施策により、2022年3月期において計画よりも利益率が低下したプロジェクト数は前期比30%以上低減した。
なお、同社は2021年2月に、経済産業省が認定する「DX認定」を受けた、情報サービス産業界初の企業となった。
DX認定制度とは、2020年5月15日に施行された「情報処理の促進に関する法律」に基づく認定制度である。
国が策定した「情報処理システムの運用及び管理に関する指針」を踏まえ、優良な取り組みを行う事業者を申請に基づいて認定する。
ビジョンの策定や戦略・体制の整備などをすでに行い、DX推進の準備が整っている事業者の「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX Readyの状態)」を経済産業省が認定する。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
また、各企業のパブリッククラウドの活用が進むなかで、クラウド設定のミスや理解不十分な構築によるセキュリティホールの存在など、攻撃者の格好の的になりやすい状況において、各企業が抱えるクラウドに対するセキュリティの不安を診断により可視化することで、安心・安全な運用を支援するクラウドサービス(Amazon Web Services:AWS)を開始。
さらに、MicrosoftのAzure上でも診断できるサービスを拡充する取り組みを進めている。
診断基準には、世界的なベストプラクティスがまとまったCISベンチマーク※を利用し、自動的に診断を行うツールを開発、可視化、診断レポートを提供する。
ただし、セキュリティ診断サービスは2022年1月にスタートしたばかりであり、前期の業績にはほぼ反映されていない。
その点で、今後の業績にどの程度寄与するのかを見極める必要がある。
※CISベンチマークを利用し、クラウド上の各種サービス(AWS Identity and Access Management(IAM)、Amazon EC2、AWS CloudTrail…etc.)の設定について、OK(成功)、WARN(警告)、FAIL(失敗)の三段階で評価。
全体の評価をまとめたレポートを提供することで可視化し、日次、週次など任意の間隔で診断(定期実行)する。
その他、2021年8月にはネットワークを中心としたコンサルティング事業と企業のインキュベートを主たるビジネスとして展開する(株)インターネット総合研究所(IRI)と、サイバーセキュリティ分野において、アライアンス契約を締結した。
システムのオープン化・クラウド化が進み、利便性の高いサービスが構築され運用されている一方で、悪意を持つ第三者によるサービスの停止、情報の漏洩などのサイバー攻撃に対するリスクがかつて無いほど高まっている。
企業のセキュリティに対する不安が増している状況のなか、同社とIRIはセキュリティに対する不安を解消するために新しいビジネスモデルを含めたサービスを共同検討し、新たなサービスとして付加価値を加え、顧客の要望に応えビジネスリスク低減を図る。
さらに、資本・業務提携を結んだclosip(旧LTE-X)のほか、運輸会社と連携し、ローカル5Gにつながる要素技術の獲得を目的としたPoC(Proof of Concept:本格的にプロジェクトを開始する前に検証すること)案件を実施している。
ローカル5Gの本格普及に先駆けてサービス開発を継続し、実証を積み重ねることにより、将来的に需要が見込まれると考えられるローカル5G向けサービスにおいて、先行者メリットを獲得することになると弊社では考えている。
ただし、現状はようやく5Gが企業や個人に浸透してきた段階であり、将来的に普及期が訪れる局面においては、先行者メリットを享受することになるだろう。
近い将来には企業のオフィスや工場などといった限られた範囲の中で、ローカル5Gを利用して手軽に専用網を構築できる動きが期待されている。
東京など首都圏集中によって地方の医療現場は人手不足で窮地に陥っているなか、ローカル5Gを活用した遠隔診療の実証などが総務省や自治体主導で実施されている。
また、最近では国内の大規模病院の3ヶ所がハッカーに侵入されたといった報道もあった。
医療のデジタル化が進む一方で医療機関へのサイバー対策が求められており、同社が重点戦略として挙げている高付加価値SIサービスのサービス拡充とともに引き続き事業拡大が期待される分野であると弊社では見ている。
「SIモデル変革の推進」においては、オープンイノベーション活動を通じたSI事業の高付加価値化や、新サービスに向けた取り組みを進めている。
米国Scaled Agile, Inc.とのパートナーシップによるアジャイル関連事業、closip(旧LTE-X)とのセキュリティ事業、エールビジネスコンサルティング(株)とのソリューション事業など、グループシナジーの創出に向けた取り組みを推進。
インターネット総合研究所ともサイバーセキュリティ分野においてアライアンス契約を締結しており、顧客企業のビジネスリスクを低減させるための、新たなサービスの提供の動向についても注目したい。
また、サービス品質水準の向上として、ハイスキル人材のシェアリングを推進するなどサービス品質水準の向上に取り組む。
プライスコントロールとして、プライスリストを活用し、標準価格からの差異に着目した管理・取り組みを推進。
トラブルプロジェクトの撲滅として、プロジェクトパフォーマンス評価制度の導入などのトラブルプロジェクトの撲滅を図っている。
これらの施策により、2022年3月期において計画よりも利益率が低下したプロジェクト数は前期比30%以上低減した。
なお、同社は2021年2月に、経済産業省が認定する「DX認定」を受けた、情報サービス産業界初の企業となった。
DX認定制度とは、2020年5月15日に施行された「情報処理の促進に関する法律」に基づく認定制度である。
国が策定した「情報処理システムの運用及び管理に関する指針」を踏まえ、優良な取り組みを行う事業者を申請に基づいて認定する。
ビジョンの策定や戦略・体制の整備などをすでに行い、DX推進の準備が整っている事業者の「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX Readyの状態)」を経済産業省が認定する。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)