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NYの視点:米6月はガソリン価格やCPIがピーク、行き過ぎる利上げで深刻な景気後退懸念も

発行済 2022-07-14 07:41
更新済 2022-07-14 07:45
© Reuters.
米6月消費者物価指数は前月比+1.3%と、5月+1.0%から予想以上に伸びが拡大し05年9月来で最大となった。
前年比では+9.1%と、やはり5月+8.6%から伸びが拡大し1981年以降41年ぶり最大を記録した。
主にガソリン価格の上昇(+11.2%)や食料品価格の上昇(+1.0%)が影響し全体指数を押し上げた。


変動の激しい食品や燃料を除いたコア指数は前月比+0.7%と、5月+0.6%から予想外に拡大し昨年6月来で最大となった。
前年比では+5.9%と、5月+6.0%から伸びが鈍化し年初来最小となった。
しかし、予想は上回った。


■6月消費者物価指数
全項目:前月比+1.3%、前年比+9.1%
エネルギー:+7.5%、+41.6%
ガソリン:+11.2%、+59.9%
食品:+1.0%、+10.4%
賃貸:+0.7%、+5.5%
中古車:+1.6%、+7.1%
航空運賃:−1.8%、+34.1%
アパレル:+0.8%、+5.2%

6月は原油価格が高値を更新した月。
価格はその後、7月に入り大きく下落している。
7月はヘッドラインインフレの低下が予想されている。
コアも低下する見込み。


短期金融市場では7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1%の利上げを織り込み始めた。
次回会合で、FRBが金融政策決定における材料となる米地区連銀経済報告(ベージュブック)では全地区で著しい物価の上昇が報告されたが、同時に、減速の兆候も報告されている。
経済活動も、緩慢なペースで拡大しているものの、12地区のうち5地区が景気後退のリスク上昇を指摘。
さらに、数地区が需要鈍化の兆候が強まっていることや消費の緩和も報告された。


FRBが過剰な利上げに踏み切った場合、成長が損なわれる可能性も除外できない。
米国の2年債と10年債の逆イールドは24ベーシスポイント以上に拡大。
2000年以降で最大となった。
さらに、より景気後退を示唆するとして注目される3カ月物と10年債も依然プラス圏ながら、急速に利回り差が縮小。
20年9月来で最小となった。
仮に7月に0.75%利上げしたとしても、9月会合までには時間がある。
インフレのピークが確認され、成長減速が見られれば、9月に大幅な利上げの必要性はなくなる。
ジャクソンホールで金融政策の行方を探ることになる。




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