[東京 20日 ロイター] - 日本電産が20日に発表した4─6月期決算(国際会計基準)は、連結営業利益が前年同期比0.2%増の446億円だった。原材料価格の高騰をコスト削減や値上げ、円安の増益効果で相殺した。売上高は同20.8%増の5403億6900万円、純利益は同23.5%増の413億2100万円と、いずれも四半期ベースで過去最高を更新した。23年3月通期の見通しは据え置いた。
部門別では精密小型モーターが堅調だった一方、車載製品は欧州で構造改革費用を計上したほか、受注が急拡大するトラクションモーターの開発費がかさみ3200万円の営業赤字(前年同期48億円の黒字)となった。
車載部品のEVトラクションモーター「E-Axle」について、関潤社長兼最高執行責任者(COO)は、開発中の第2世代において供給まで大幅な期間短縮が実現したと明かした。同モーター事業は2023年度までの単年黒字化見通しが半年早まり、同年上期までに黒字化する予定で「さらに早める努力を継続し、車載事業を盛り上げていく」とした。
通期の連結見通しは、営業利益2100億円(前年比23.3%増)の従来予想を据え置いた。IBESがまとめたアナリスト22人の予想平均値2148億円と同水準だった。
4月に最高経営責任者(CEO)に復帰した永守重信会長は「強い危機感のもと、CEOにカムバックした」と述べた。「ずっとやるつもりはない。2年を目途に」との考えを示し、業績、株価、企業文化の立て直しを進めていくとした。
(佐古田麻優編集:石田仁志)