[東京 8日 ロイター] - INPEXは8日、2022年12月期の連結業績予想を上方修正し、営業利益の見通しを前年比91.8%増の1兆1330億円に引き上げた。従来は9240億円を見込んでいた。1─6月期の原油価格が前提よりも上振れたほか、為替が円安で推移したことなどを反映した。
IBESがまとめたアナリスト10人の予想平均値1兆2470億円には届かなかった。
併せて発表した22年1─6月期の連結営業利益は、前年同期比2.6倍の5844億円だった。同社は日本の官民で作るサハリン石油ガス開発を通じ、極東ロシアの石油・天然ガス開発事業「サハリン1」に出資。「サハリン2」に権益を持つ三井物産と三菱商事は事業の先行きが不透明として資産価値を減額したが、INPEXは処理をしていない。
会見した山田大介常務は、サハリン1に何が起きても決算に大きな影響はないとの見方を明らかにした。
サハリン1を巡っては、ロシアのプーチン大統領が5日、非友好国と位置づける国の企業などに株式の売却などを禁止する大統領令に署名。萩生田光一経産相は8日、権益を維持する方針を改めて示した。
INPEXは1─6月期の普通株配当を5月時点の予想から3円引き上げ、1株30円に決定した。期末配当予想も、前回予想から3円積み増し1株30円を見込む。
INPEXはこの日、発行済み株式総数の8.65%に相当する1億2000万株、1200億円を上限とした自社株買いも発表した。