[ニューヨーク 16日 ロイター] - 米プライベートエクイティ企業大手ウォーバーグ・ピンカス傘下の金融企業マリナー・ファイナンスが、借り手の同意を得ずに総額数億ドルの金融商品を融資に付随して売りつけたとして、複数の米州が16日、ペンシルベニア州の連邦地裁にマリナーを提訴した。
訴えたのはペンシルベニア、ニュージャージー、オレゴン、ユタ、ワシントンの各州とコロンビア特別区(首都ワシントン)。マリナーが不正に得た利益を全額返還することや、民事制裁金を要求している。
原告によると、マリナーは借り手に通知せず、高額の保険その他の商品を融資契約にもぐりこませるという不正行為を大がかりに行っていた。不正行為をやめるよう指導を受けた後も続けていたという。
またマリナーは借り手をだまして不要な借り換えを行わせるよう社員を指導し、手数料収入や付随商品の販売拡大につなげていたとも、原告は指摘した。
ペンシルベニア州のジョシュ・シャピロ司法長官の事務所は「この種の搾取的な営業慣行は消費者を、克服困難な債務の循環に陥れかねない」と非難した。
原告は、マリナーの親会社ウォーバーグが事業の高成長を要求していることにも責任の一端があるとしている。
マリナーのジョシュ・ジョンソン最高経営責任者(CEO)は、実態を完全かつ公正に考慮すれば提訴は却下されるはずだと主張。約4年前から各州の調査に協力しており、今後も与信が限られた人々に選択肢を提供する重要な企業として、自社の立場を弁護し続けるとも述べた。
ウォーバーグも声明を出し、マリナーの異議申し立てを支持するとした。
マリナーは米27州の480カ所以上で営業展開している。