[ニューヨーク 22日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックスの元副社長らが給与や昇進で女性差別を受けたとして損害賠償を求めた12年越しの集団訴訟で、米マンハッタン連邦地裁は22日、ゴールドマンの訴訟棄却請求を退け、来年6月5日の公判開始を決定した。
集団訴訟には約1800人が参加しており、クリスティナ・チェンオスター元副社長ら原告は、ゴールドマンが組織的に女性の給与を男性よりも少なくし、女性の業務執行評価を低くして昇進を妨げたと訴えている。
ゴールドマンは、原告1人1人には給与が減らされ、損害賠償を求める立場にあることを示す証拠がないと主張していたが、アナリサ・トーレス連邦地裁判事はゴールドマンの主張に同意しなかった。トーレス判事はゴールドマンが各原告に同一の雇用方針を採用していたとして集団訴訟形式を認めたが、雇用期間が短かったり報酬が減らなかったケースを除外し、原告の資格を絞り込んだ。
一方ゴールドマンは、原告の示した統計的数値は単純化され過ぎており、誤解を招く恐れがあると指摘。声明で「ゴールドマン・サックスは、女性の登用と支援に長年取り組んできたことを誇りに思う。このような根拠のない主張に対しては積極的に抗弁していく方針だ」とした。
米金融業界では数十年前から、女性従業員の差別に対する訴訟の試みが繰り広げられてきたが、中でもゴールドマンへの訴訟は注目度が高い。アン・シェイバー原告側弁護士はトーレス判事がゴールドマンの性差別の「説明逃れ」を拒んだことを評価している。