[上海 24日 ロイター] - 中国は、世界第2位の規模を誇るグリーンボンド(環境債)の発行基準を国際基準並みに厳格化した。環境への配慮を見せかける「グリーンウォッシュ」の排除に本格的に取り組む。
上海証券取引所は今月から、グリーンボンド発行で調達した資金を全てクリーンエネルギーなどのグリーンプロジェクトに投資することを義務付けた。ロイターが同証取の通達を確認した。従来は最低70%としていた。
関係者によると、中国証券監督管理委員会(証監会)は上海、深セン両取引所に対し、7月下旬に発表された「中国グリーンボンド原則」を順守する形に発行規則を改定するよう指示。3000億元(437億2000万ドル)超のグリーンボンドが発行された上海証券取引所は、今後の発行は原則に準拠するよう引受業者に要請する通知を出した。
グリーンボンド原則は、国際標準に概ね基づく自主規制的なグリーンボンドの枠組み。予定される規則改正により、上場債券にはこのガイドラインが義務付けられ、グリーンウォッシュのリスクを低減する。
ロンドンを拠点に低炭素経済への投資を促進する非営利団体「クライメート・ボンズ・イニシアチブ(CBI)」のショーン・キドニー最高経営責任者(CEO)は、グリーンボンドのガイドラインは多くの証券規制当局が設定しているが、義務化するのは「知る限りで中国が初めて」と述べ、中国のグリーンボンドが国際的に認知されるようになり、中国が米国を抜いて世界最大のグリーンボンド市場になる可能性もあると指摘した。
CBIによると、2021年末時点のグリーンボンド発行残高は中国が約2000億ドル、米国は3000億ドル強だった。