[東京 6日 ロイター] - シダックスの複数の子会社がオイシックス・ラ・大地社長宛てに書簡を送り、株式公開買い付け(TOB)への反対表明はグループの総意ではないと伝えたことが分かった。6日付けの書簡をロイターが閲覧した。
書簡の送り主はシダックス事業子会社の代表者一同。シダックスが5日、オイシックスによるTOBへの反対意見表明を決議したと発表したことについて、取締役会には「一同の思いを汲み取っていただけなかったものと解釈せざるをえず、誠に残念」としている。
シダックスの広報はロイターの問い合わせに対し、書簡を確認していないためコメントできないと回答。一方、オイシックスは受領した書簡を公表した上で、株式の取得を続ける意志を改めて表明するとともに、代表者一同の意見に配慮するようシダックス取締役会に求めるコメントを発表した。
オイシックスは8月30日、シダックスへのTOBを開始。投資ファンドのユニゾン・キャピタルが保有する約27%分の取得を目指すとともに、シダックスの給食事業などとの業務提携の検討を加速させることを狙った。
書簡によると、子会社の代表者一同はシダックスの志太勤一社長に対し、オイシックスとの協業に賛同の意を伝える書面を送付。しかし、シダックス取締役会がTOBへの反対を表明したことから、オイシックス社長に書簡を送ったとしている。
ユニゾン・キャピタルは6日、シダックスの賛同表明やインサイダー取引規制に抵触する可能性が払拭されることを条件として、オイシックスによるTOBに応募する方針を表明した。
(山崎牧子 取材協力:久保信博)