［ベルリン／ロンドン １２日 ロイター］ - 世界的な地政学的緊張、インフレ率の上昇、気候変動がリスク保護への需要を高めており、保険料は上昇すると、モンテカルロで開催された業界の年次会合で、大手再保険会社の幹部らが予想した。
再保険会社は、来年１月１日の更新シーズンを控え、契約について交渉するためモンテカルロで顧客と面談している。
スイス再保険再保険部門の最高経営責任者（ＣＥＯ）であるモーゼス・オジェイセコバ氏は１２日、「再保険業界は現在、新型コロナウイルスの影響と自然災害による損失の増加に加えてインフレ、景気後退リスク、地政学的緊張などの問題に直面している。このダイナミックなリスク環境下でコストドライバーが加速していることを考えると、保険料を慎重に調整する必要がある」と述べた。
同社は自然災害分野を拡充する計画。同分野の規模は今後４年間に３５０億ドルから４８０億ドルに拡大すると予想されている。
よりリスクの高い環境に対処するため企業が保険に加入する傾向が強まっているという。スイス再保険研究所は、企業がサプライチェーンを本拠を置く国の周辺に再編するに伴い、２０２２年から２６年にかけて商業保険契約額が３３０億ドル増加すると予想している。
Ｓ＆Ｐのアナリストは先週、保険料はパーセントで見て「１桁台半ば」のペースで上昇する可能性があると指摘。一方、ムーディーズの調査では、米不動産再保険で２桁台の保険料上昇が見込まれている。
ミュンヘン再保険とハノーバー再保険の幹部は１１日と１２日、メディアに対して、インフレ率の上昇を理由に、保険料は一部市場で１０％かそれ以上上昇する可能性があると述べた。