[東京 17日 ロイター] - 岸田文雄首相は17日の衆院予算委員会で、黒田東彦日銀総裁の後任人事について「来年4月の時点で最もふさわしい人物を選ぶ」と述べた。人選に当たっては、政策の予見性、政府と日銀の連携といった点を重視していくという。
伊藤達也議員(自由民主党)の質問に答えた。伊藤議員は政府・日銀が緊密に連携して、安定した金融政策を堅持して行っていくことを市場に「ぶれずにしっかり伝えていくことがきわめて重要だ」と述べた。
岸田首相は、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるべきだと指摘。その上で、黒田総裁も中央銀行の政策効果を円滑に発揮していく上で市場の理解を得ていくことが非常に重要と発言しているほか、金融政策の有効性を確保していくためには一貫性・予見可能性の高い政策対応を継続していくことが重要と言っているとし、「経済・物価・金融情勢を踏まえながら、物価目標の持続的・安定的な実現に向けて努力してもらうことを政府としても期待している」と述べた。
黒田日銀総裁は予算委で、国際商品市況や円安といったコストプッシュ要因がはく落することで来年度以降の消費者物価上昇率は2%を下回る水準に縮小していくとの見通しを示した。その上で、経済を支え、賃金上昇を伴う形での物価目標の持続的・安定的な達成に向け、金融緩和の継続が適当だと語った。
(和田崇彦 編集:田中志保)