■会社概要
1. 沿革
ベルトラ (TYO:7048)は、日産自動車 (TYO:7201)海外事業部のメンバーだった3人が1991年に立ち上げた会社であり、創業時は主に自動車関連のマーケティングを展開していた。
当時は海外の自動車メーカーが日本展開を模索していた時期であり、海外からの受注を受けて、東京モーターショーのイベント開催を受けた調査などを行っていた。
元々一事業にフォーカスするのではなく多角的に事業を展開しており、それらの事業のうち、2000年にスタートしたゴルフのオンライン予約(GORA)ビジネスが急成長したことにより、この事業を楽天(現 楽天グループ (TYO:4755))に売却、この売却益を元手にして2004年から現在の事業を開始した。
旅行業界では宿泊や航空券等の販売は既にオンライン化が進んでおり、旅先の体験だけオンライン化が進んでいなかった。
また、現地での体験ツアーやアクティビティは無数にあり、これらはオフラインではなく、eコマースのスケールメリットを確実に生かせると考え、ゼロからスタートする意味があると判断した。
2004年の事業開始当初は旅行業としてのノウハウもアクティビティ事業会社とのコネクションもなかったものの、同年、オーストラリア、バリ島、ハワイにてオフラインを中心にアクティビティ販売を行っていた会社を買収した。
なお、現 代表取締役社長兼CEOの二木渉(ふたぎわたる)氏は創業から4代目の社長であり、2015年に代表取締役社長に就任した。
加速するテクノロジーの進化への対応、IPO、そしてさらなる成長を目指すため、創業者から経営を引き継いだ。
ただし、事業開始当初はグローバルなオンライン市場がなかったビジネスであったほか、現地の事業会社自身がオンラインで予約を受けて顧客と直接接点を持つこと自体がなかった。
さらに、各国の文化の違い、言葉の違い、価値観の違い、時差等、旅行者と事業者の間に障壁が多く、事業の見直しを図る必要があった。
このため、顧客が現地体験ツアーに参加する手段をオンラインでどう実現できるかを改めて再定義したうえで、経営資源を集中させた。
その後は事業を拡大し、ビーチリゾート周辺だけではなく、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどへと拡大していった。
グローバル展開を進めるなか、2012年には英語サイトを開設し、訪日旅行事業を開始した。
また、システム開発についても体制を強化し、国内でのエンジニア採用を開始したほか、マレーシアに開発拠点を置き、システム会社を完全に内製化した。
2015年には中国語サイト(繁体字・簡体字)を開設、2016年にはCity Discovery SASの全株式を取得、2017年には韓国12CM Inc.(ワンツーシーエム)との事業提携により韓国語サイトを開設するなどグローバル展開を推進している(現在、経営資源を日本市場に選択・集中させており、多言語展開は休止中)。
なお、同社とシナジーが見込めるとして、2020年12月に、旅行比較サイト「トラベルコ」の運営等の旅行関連事業を展開するオープンドア (TYO:3926)と資本業務提携を締結した。
2021年12月には、子会社のリンクティビティが西日本電信電話(株)(NTT西日本)に対して第三者割当増資を実施し、資本・業務提携を行った。
また、新株予約権行使による資金調達を実施しており、2022年12月期で699百万円を調達した。
コロナ禍の影響により厳しい事業環境ではあるものの、アフターコロナを見据えて事業面・財務面で積極的な展開を見せるなど、攻めと守りが両立する経営姿勢は評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
1. 沿革
ベルトラ (TYO:7048)は、日産自動車 (TYO:7201)海外事業部のメンバーだった3人が1991年に立ち上げた会社であり、創業時は主に自動車関連のマーケティングを展開していた。
当時は海外の自動車メーカーが日本展開を模索していた時期であり、海外からの受注を受けて、東京モーターショーのイベント開催を受けた調査などを行っていた。
元々一事業にフォーカスするのではなく多角的に事業を展開しており、それらの事業のうち、2000年にスタートしたゴルフのオンライン予約(GORA)ビジネスが急成長したことにより、この事業を楽天(現 楽天グループ (TYO:4755))に売却、この売却益を元手にして2004年から現在の事業を開始した。
旅行業界では宿泊や航空券等の販売は既にオンライン化が進んでおり、旅先の体験だけオンライン化が進んでいなかった。
また、現地での体験ツアーやアクティビティは無数にあり、これらはオフラインではなく、eコマースのスケールメリットを確実に生かせると考え、ゼロからスタートする意味があると判断した。
2004年の事業開始当初は旅行業としてのノウハウもアクティビティ事業会社とのコネクションもなかったものの、同年、オーストラリア、バリ島、ハワイにてオフラインを中心にアクティビティ販売を行っていた会社を買収した。
なお、現 代表取締役社長兼CEOの二木渉(ふたぎわたる)氏は創業から4代目の社長であり、2015年に代表取締役社長に就任した。
加速するテクノロジーの進化への対応、IPO、そしてさらなる成長を目指すため、創業者から経営を引き継いだ。
ただし、事業開始当初はグローバルなオンライン市場がなかったビジネスであったほか、現地の事業会社自身がオンラインで予約を受けて顧客と直接接点を持つこと自体がなかった。
さらに、各国の文化の違い、言葉の違い、価値観の違い、時差等、旅行者と事業者の間に障壁が多く、事業の見直しを図る必要があった。
このため、顧客が現地体験ツアーに参加する手段をオンラインでどう実現できるかを改めて再定義したうえで、経営資源を集中させた。
その後は事業を拡大し、ビーチリゾート周辺だけではなく、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどへと拡大していった。
グローバル展開を進めるなか、2012年には英語サイトを開設し、訪日旅行事業を開始した。
また、システム開発についても体制を強化し、国内でのエンジニア採用を開始したほか、マレーシアに開発拠点を置き、システム会社を完全に内製化した。
2015年には中国語サイト(繁体字・簡体字)を開設、2016年にはCity Discovery SASの全株式を取得、2017年には韓国12CM Inc.(ワンツーシーエム)との事業提携により韓国語サイトを開設するなどグローバル展開を推進している(現在、経営資源を日本市場に選択・集中させており、多言語展開は休止中)。
なお、同社とシナジーが見込めるとして、2020年12月に、旅行比較サイト「トラベルコ」の運営等の旅行関連事業を展開するオープンドア (TYO:3926)と資本業務提携を締結した。
2021年12月には、子会社のリンクティビティが西日本電信電話(株)(NTT西日本)に対して第三者割当増資を実施し、資本・業務提携を行った。
また、新株予約権行使による資金調達を実施しており、2022年12月期で699百万円を調達した。
コロナ禍の影響により厳しい事業環境ではあるものの、アフターコロナを見据えて事業面・財務面で積極的な展開を見せるなど、攻めと守りが両立する経営姿勢は評価できる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)