[北京 28日 ロイター] - 中国の大手銀行、中国工商銀行、中国農業銀行、中国交通銀行が第3・四半期にいずれも6%以上の増益を確保したことが28日明らかになった。不良債権比率が低下した。
中国工商銀の提出書類によると、純利益が前年同期比6.8%増加した。中国農業銀は6.4%、中国交通銀は6.7%の増益となった。
フィッチ・レーティングスの金融機関担当ディレクター、ビビアン・シュエ氏は「大手国有銀行の不動産デベロッパー向け融資は、2022年上半期末で融資総額の3─7%を占め、中小銀行より低い割合となっている」と指摘。「また、大手銀行は主に国有企業や優良デベロッパーに融資している」と語った。
9月末時点の不良債権比率は中国工商銀と中国農業銀が1.4%と前四半期末の1.41%から低下した。中国交通銀も1.46%から1.41%へ低下した。
<利ざやは縮小>
一方、銀行の収益性を示す重要指標である純金利マージン(利ざや)は第3・四半期末時点で3社とも縮小。
中国工商銀は前四半期末の2.03%から1.98%に低下。中国農業銀は2.02%から1.96%に、中国交通銀は1.53%から1.50%に低下した。
ダイワ・キャピタル・マーケッツの銀行アナリスト、マイケル・ゼン氏は「全体的な信用需要が低迷しているため、中国の銀行は融資金利を下げてお金を貸し出す必要があり、利ざやに圧力がかかっている」と指摘。第4・四半期にはセクター全体で一段と利ざやが縮小すると予想している。