[東京 19日 ロイター] - 旧村上ファンド出身の丸木強氏が設立したストラテジックキャピタル(東京都渋谷区)は19日、投資先の日本証券金融に対し、不適切な会計処理があるなどとして提訴請求を行ったと発表した。不適切会計により生じた執行役への報酬の過払い分の返還も求めている。
提訴請求は、株主代表訴訟を起こす前の手続きとなる。日証金が過去の決算書類を訂正し、その他有価証券の売却損益を営業外損益・特別損益に適切に区分することや、訂正後の決算書類に基づき役員の業績連動報酬の金額を再計算し、過払い分を返還することを求めている。
ストラテジックキャピタルによると、日証金は保有する日本取引所グループ(JPX)株を売却した際、少なくとも2021年3月期と22年3月期の2期、本来計上すべき特別利益ではなく営業収益に計上していたという。この結果、経常利益が押し上げられた可能性が高く、同利益を基準に決める執行役の業績連動報酬も過大に支払われていた可能性があると指摘した。
ストラテジックキャピタルでは、今回の不適切な会計処理が「会計処理が誤っている可能性」ではなく、「会計処理の明確な誤り」であると断定することが可能になったため、提訴請求に踏み切ったとしている。
日証金は「これから内容を精査する」とし、現時点でのコメントは控えた。