[９日 ロイター] - 米決済サービス大手ペイパル・ホールディングスが９日発表した２０２３年通期の利益見通しは市場予想を上回った。高インフレ下でも顧客の利用が継続していることが背景。ただ、裁量的支出が圧迫されつつあると警告した。
また、８年半近く経営の指揮を取ってきたダン・シュルマン最高経営責任者（ＣＥＯ）が２０２３年末で退任すると発表した。
ガブリエル・ラビノビッチ暫定最高財務責任者（ＣＦＯ）は「主力市場で電子商取引の成長が鈍化した。インフレ圧力が消費者の裁量的支出に影響し、新型コロナウイルス禍後の支出パターンは依然変化している」と述べた。
株価は引け後の時間外取引で１％下落した。
通期の調整後１株利益見通しは約４．８７ドル。金融情報会社リフィニティブがまとめたアナリストの予想平均の４．７５ドルを上回った。以前発表したコスト削減への取り組みも、業績見通しを後押しした。
一方、前四半期までの方針を転換し、通期の増収率見通しは公表しないと明らかにした。
ＤＡダビッドソンのアナリストは「マクロ面の不透明感から、現段階で収入の数字を示したくないのだろう」と述べた。
併せて発表した第４・四半期決算は、調整後１株利益が１．２４ドルで、アナリスト予想の１．２０ドルを上回った。
売上高は為替変動の影響を除くベースで９％増の７４億ドルだった。