[シドニー/香港 20日 ロイター] - 中国本土以外での上場の進め方に関する中国の新たな規則は、複数の国内政府機関から承認を得ることが必要になり、手続きの時間が長くなるとの懸念が市場関係者の間で高まっている。
中国は2021年半ば以降、政府による規制強化で国内企業による米国での上場が滞っており、新規則導入には手続きが明確になるという面がある。
一方、3月31日から施行される新規則では、米国や香港などの市場での上場を望む企業は、中国証券監督管理委員会(CSRC)への申請と、その他の関連規制当局の承認が必要になる。
中国企業の米上場を支援する投資銀行、ユニベスト・セキュリティーズのグオ・イ最高執行責任者(COO)は「新たに複雑な手続きを踏まなければならず、(新規制導入は)うれしいニュースではない」と述べた。以前は上場のためにオフショアの仕組みを整えることだけを心配すればよかったが、今度は「全てを報告する必要がある」という。
ニューヨーク大学ロースクールの非常勤教授であるウィンストン・マー氏によると、中国企業が国内の規制を迂回して海外上場する際に利用してきた「変動持ち分事業体(VIE)」と呼ばれる仕組みを使う場合、中国企業の外資所有を監督する国家発展改革委員会や、中国サイバースペース管理局(CAC)、業界個別の規制当局などが承認手続きに関与する可能性がある。