[27日 ロイター] - ビデオ会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズが27日に示した通年の利益見通しは市場予想を上回った。人工知能(AI)を積極的に製品に取り入れる方針を示したことも好感され、株価は引け後の時間外取引で8%上昇した。
利益見通しは1株当たり4.11─4.18ドル。金融情報会社リフィニティブがまとめた市場予想は3.66ドル。
エリック・ユアン最高経営責任者(CEO)はアナリスト向け電話会見で「AIと大規模言語モデルの時代が到来した」と述べ、同社にAIが「真に役立つ」可能性があるとした。
RBCのアナリスト、リシ・ジャルリア氏は「ズームが積極的にこのような機会について話しているのは好ましいし、必要なことだ」と指摘。マイクロソフトが既にオンライン会議アプリ「チームズ」のプレミアム版に自動応答システムの「チャットGPT」を搭載していることを踏まえると、なおさらそう言えるとした。
ズームはまた、職場とリモートを組み合わせたハイブリッド勤務への移行が進む中、ビデオ会議サービスの堅調な需要から恩恵を受けている。同社は今月、従業員の約15%に相当する人員削減も発表している。
第4・四半期(2022年11月─23年1月)の調整後1株利益は1.22ドルと、市場予想の0.81ドルを上回った。
売上高は4%増の11億2000万ドル。アナリストの予想平均は11億ドルだった。
24年度の売上高見通しは44億4000万─44億6000万ドルで、アナリスト予想平均の46億ドルを下回った。