[ロンドン 14日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は14日に発表した月報で2023年の中国の石油需要予想を上方修正し、前年より日量71万バレル増との見通しを示した。2月には59万バレル増になると予測していた。上方修正の理由として新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策が緩和されたことを挙げた。
一方、23年の世界石油需要が日量232万バレル(2.3%)増えるとの見通しは据え置いた。中国を上方修正した一方で、米欧などの地域の見通しを引き下げたのが要因。
中国の需要拡大が石油市場を下支えする可能性はあるものの、米シリコンバレー銀行の破綻が新たな金融危機への警戒を呼び起こしたため今週は原油価格が下落した。OPECは金利上昇による世界経済の潜在的な下振れリスクを指摘した。
OPECは報告で「厳格な『ゼロコロナ』政策解除に伴う中国の(経済活動)再開は、世界経済の成長に相当な勢いを与える」とした一方、「金利と世界の債務水準の急速な上昇は重大な負の波及効果を引き起こし、世界経済の成長の動きに悪影響を及ぼす可能性がある」とも言及した。
OPECは23年の世界成長率見通しを2.6%に据え置いた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ減速で成功すれば経済の上振れ要因になり得るとの見方を示した。