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富士ソフト Research Memo(1):2023年度に売上高3,000億円・営業利益200億円の突破を狙う

発行済 2023-03-24 15:41
更新済 2023-03-24 15:45
© Reuters.
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*15:41JST 富士ソフト Research Memo(1):2023年度に売上高3,000億円・営業利益200億円の突破を狙う ■要約

1. 会社概要と事業内容
富士ソフト (TYO:9749)は、1970年5月設立の独立系大手ITソリューションベンダーである。
そのルーツは、創業者である野澤宏(のざわひろし)氏が自宅で自身に加え2名の社員とともに開業した(株)富士ソフトウエア研究所であり、設立50周年を超えた今、連結子会社31社、持分法適用非連結子会社2社、持分法適用関連会社1社で構成される連結従業員数1万7千人規模(2022年月12末現在)のグループにまで発展している。


報告セグメントは、SI事業(システム構築とプロダクト・サービス)、ファシリティ事業、その他の3つから成る。
主力のSI事業では組込系/制御系及び業務系ソフトウェア開発を軸に多彩なソリューションメニューを提供、ファシリティ事業はオフィスビルの賃貸、その他はBPOサービスやコンタクトセンター等を行っている。


また、2017年12月期から「AIS-CRM(アイスクリーム)」領域での取り組みを推進している。
これは、AI、IoT、Security、Cloud computing、Robot、Mobile&AutoMotiveの頭文字を並べた同社の造語であり、中長期的に成長が期待される領域を網羅している。


2. コアコンピタンスは「技術力と提案力」
同社は、自社が顧客から選ばれる理由を「日々進化し続ける高い技術力と提案力にある」としている。
自動車や半導体製造装置など極めて高い精度が要求される組込系/制御系ソフトウェアの開発を通じて得た先進技術ノウハウと幅広い業種向けへのソリューション提供で培われたシステム構築力、独立系ならではの柔軟なプロダクト提供力などに裏打ちされた「技術力と提案力」を自社のコアコンピタンスとすることへの納得度は高い。


3. ポストコロナ時代を見据えて人財投資を積極化
同社は顧客の業況感回復とDXニーズの高まりに対応するため、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を受けて抑制していた採用活動を再拡大している。
同社の2022年12月末時点での単体社員数は8,991人で、前期末比で483人の増員を実現した。
同社は生産力の確保と人材の高度化に、継続して注力している。


振り返れば、同社はリーマン・ショック前のピーク売上高(2006年3月期)を2017年12月期に更新、ピーク売上高更新まで実に10年余り要したわけだが、その間にフロー利益の回復だけでなく、柔軟な経営戦略の下、財務体質強化と成長ポテンシャル増強をバランス良く両立した実績を持つ。


今回のコロナ禍にあっても、自己資本比率が2006年3月期末47.3%→2022年12月期末55.7%、流動比率が同96.4%→同156.7%と財務指標の健全化を実現している。
守りを固めながらも攻めの経営を貫くスタンスに変化はない。


4. 2022年12月期の連結業績は、期初計画から増収増益で着地
2022 年 12月期の連結業績は、売上高が前期比8.1% 増の 278,783百万円、営業利益が同 8.5% 増の 18,272百万円、経常利益が同 6.8% 増の 19,205百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同 24.6%増の 11,379百万円と2013年に12月期決算へ移行してから実質的に9期連続での増収及び営業増益となった。


配当は、2021年12月期実績の年間52円/株(第2四半期末に26円/株、期末に26円/株)から年間127円(第2四半期末に54円/株、期末に73円/株)へと大幅に引き上げられ、8期連続増配である。
なお、2023年度の業績予想及び配当予想は、年間137円(第2四半期末に68円/株、期末に69円/株)へと、9期連続増配を予定している。


5. 新設された企業価値向上委員会、客観性・実効性をより高める施策が発表された
同社は新中期経営計画を2022年2月に公表して以降、多くの投資家と建設的な対話を行ってきた。
そして2022年6月、そこで得られた多角的な見識をさらなる企業価値向上につなげるべく「企業価値向上委員会」を新たに設置した。
2023年2月に発表された活動報告で、現在のガバナンス体制について、より客観性や実効性を高めるための施策が発表された。
2023年3月に経営委員会が3つの委員会に機能分化して機能的に発展し、客観性と透明性を確保する。
機能分化は「指名委員会」「報酬委員会」「倫理委員会」とすることで、テーマ毎に集中的な議論を行う体制に移行する。
また、ガバナンス課題については、より深堀りした継続的な検討を行うために、新たにガバナンス委員会が設置される。


先の新中期経営計画で示された各種数値目標(2024年12月期に売上高3,000億円以上、営業利益200億円以上、ROIC8.0%以上、ROE9.0%以上、EBITDAマージン9.0%以上、配当性向35.0%以上)は、過去の中期経営計画に比べ水準的にも内容的にも、一歩踏み込んだものとなっているわけだが、想定以上の業績伸長が実現しており、中期経営計画における2024年12月期までの数値目標の1年早い達成を目指し、2023年12月期に売上高3,000億円、営業利益200億円、経常利益203億円、親会社株主に帰属する当期純利益123億円を見込んいる。


■Key Points
・1970年設立の独立系大手ITソリューションベンダー。
積極的な人財投資と補完的M&A戦略が奏功し、売上高2,000億円の壁を大きく突破、2022年12月末の連結従業員数は1万7千人超を擁する
・コアコンピタンスは豊富な実績と企業理念に裏打ちされた「技術力と提案力」。
リーマン・ショック後の業績低迷期を経て、財務体質の強化と成長ポテンシャルの増強の両立を実現している
・2022年12月期業績は期初公表値を上回る増収増益を達成した。
2023年12月期通期予想は売上高3,000億円、営業利益200億円、経常利益203億円が掲げられている。

・投資家との対話で得られた多角的な見識をさらなる企業価値向上につなげるべく「企業価値向上委員会」を新たに設置し客観性・実効性をより高める施策が発表された。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 石灰達夫)

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