[東京 17日 ロイター] - セガサミーホールディングスは17日、人気ゲーム「アングリーバード」などを手掛けるフィンランドのロビオ・エンターテインメントを7億ユーロ(約1036億円)で買収すると発表した。モバイルゲームを含め急速に成長するグローバルゲーム市場でのプレゼンスを高めるには、継続的なゲーム開発体制と運営力の強化が必要不可欠と判断し、買収を進めることを決めた。
1株9.25ユーロで公開買い付け(TOB)し、全株取得を目指す。5月8日前後に買い付けを開始する。ロビオのモバイルゲーム開発能力やキャラクターなどの知的財産を取得し、事業基盤を強化する。セガのゲームポートフォリオを強化し、グローバル展開をより加速するとしている。
セガサミーの里見治紀最高経営責任者(CEO)は「ブランド、キャラクターやファンベース、加えて、各々の企業文化や機能が組み合わさることで大きなシナジーが発揮されると確信をしている」とコメントした。
ロビオは15日、同社株のTOBの可能性についてセガサミーと協議していることを確認したと明らかにしていた。
17日の東京株式市場でセガサミーの株価は前営業日比4.17%安の2552円と大幅安で取引を終えた。朝方から、ロビオ買収の報道が嫌気されて終日、軟調な展開だった。
ゲーム市場に詳しい東洋証券の安田秀樹シニアアナリストは、グローバルIPをセガサミーが得るのはプラスと指摘する。発表された買収価格は、事前報道より低かった。一方、「シナジーがすぐ発揮されるかはわからず、1000億円規模の投資はチャレンジング」とみている。
もっとも、同社はスマートパチスロがヒットしており「株価がどんどん切り下がる展開は想定していない」と安田氏は話している。
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