[ダブリン 19日 ロイター] - 国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長は、今年の世界航空会社の輸送能力は予想を下回るほか、最短でも2025年までは逼迫が続くとの見通しを示した。航空機の新規納入遅延と予備部品不足が響くという。
ウォルシュ氏は、当地で行われた会合の際、ロイターに対し「実際の改善は見当たらず、最短でも25年までは顕著な改善はないとみている。その後も改善がない可能性もある」と述べた。
航空会社は新型コロナウイルス禍関連の規制脱却を期待し、今年は旅行需要がコロナ禍前の19年の水準に回復すると予想している。しかし、需要を満たすだけの航空機が確保できず、成長が阻害される可能性があるとみられている。
ボーイングやエアバスなどの航空機製造業者はサプライチェーン(供給網)の目詰まりによる広範な圧力を受けており、納入遅延につながっている。
さらにウォルシュ氏は、航空会社幹部らがエンジンを中心に予備部品不足を訴えていると指摘。「これは輸送能力が業界の予想を下回ることを意味する」と述べ、今年の減少幅は一桁台前半になるとの見通しを示した。